研究課題/領域番号 |
19K15087
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
澤村 康生 京都大学, 工学研究科, 准教授 (20738223)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 鋼管矢板基礎 / 水平抵抗 / 継手 / 遠心模型実験 / 骨組み解析 |
研究開始時の研究の概要 |
鋼管矢板基礎は,継手を有する鋼管矢板を閉鎖形状に打設し,継手管内にモルタルを充填することで基礎全体を結合する基礎形式である.本基礎形式の最大の特徴は,基礎内部における継手の変形を考慮している点にある.現在は継手単独の要素試験により鉛直方向のせん断特性を求め,それを骨組み解析に用いることで設計が行われている.しかし継手の評価が基礎全体の性能に大きな影響を及ぼすにも関わらず,継手の照査項目が不十分であり,さらに設計法の適用性を評価しうるベンチマークとなる実験が存在しない.本研究では鋼管矢板基礎の水平抵抗に及ぼす継手の影響を遠心模型実験により把握し,それを適切に表現可能なシミュレーターを開発する.
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研究成果の概要 |
鋼管矢板基礎は,継手を有する鋼管矢板を閉鎖形状に打設し,継手管内にモルタルを充填することで基礎全体を結合する日本独自の基礎形式である.本基礎形式では,鋼管同士をつなぐ継手の評価が基礎全体の水平抵抗に大きく影響を及ぼすと考えられるが,既往の研究では鉛直せん断特性のみに着目されてきた.そこで本研究では,継手部の3次元的な特性を模型実験で明らかにしたうえで,基礎全体を対象とした水平載荷実験を実施してその挙動を調べた.さらに,数値解析において接手部の特性を適切に考慮することで,十分な精度で実験を再現できることを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現状における鋼管矢板基礎の設計は,簡易な2次元解析を用いて行われる場合がほとんどであり,継手部の挙動が基礎全体の水平抵抗に与える影響を適切に表現しているとは言い難い.一方,工費削減を目的として,従来の継手に比べ高剛性・高耐力を有する継手や,深部の継手を省略した構造などが提案されており,これらを評価しうる設計手法が求められる.本研究で実施した模型実験とその再現解析により,実務で使用する3次元解析手法の精度検証が可能となり,鋼管矢板基礎の設計・施工の合理化に大きく資する結果が得られた.
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