研究課題/領域番号 |
19K15096
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22040:水工学関連
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研究機関 | 東京工業大学 (2023) 京都先端科学大学 (2020-2022) 東京大学 (2019) |
研究代表者 |
内海 信幸 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (60594752)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 降水量 / 衛星リモートセンシング / 降水リトリーバル / マイクロ波 / グリーンランド / 降水マップ / 降水 / マイクロ波放射計 / 低軌道衛星 |
研究開始時の研究の概要 |
多くの応用分野で利用されている衛星観測による全球降水プロダクトは、入力値として30分程度の時間代表性を持つ降水観測値を必要とする。しかし現在、高精度の降水推定が可能なセンサーは地球を周回する人工衛星に搭載されており、そこからは衛星が対象地点上空を通過する一瞬の瞬時値しか得られない。このため、求められる時間スケールとの間にギャップが存在する。この問題の解決のため本研究では、瞬時値しか得られない人工衛星による降水観測情報から、実用上求められる時間スケール(30分程度)の時間積算降水量を推定する手法を開発する。
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研究実績の概要 |
最終年度にはマイクロ波放射計観測による新しい降水量推定手法の開発を行った。衛星リモートセンシングによる降水推定においては降水有無の判定と降水強度の推定を異なるステップで行う場合が多い。本研究では、複数のタスクを同時に行うMulti-task learningと呼ばれる機械学習手法を降水量推定に応用した。提案した手法では、降水有無の判定と降水強度推定を同時に行うことで、それぞれを個別に行った場合よりも降水判定および降水強度推定の精度が向上することが示された。 本研究全体では、降水の鉛直分布と地上降水量の時間分布の関係を明らかにし、さらに降水の鉛直構造の情報を用いて地上での積算降水量の推定精度を向上させる手法を提案した。これはレーダ観測を用いて、上空の降水の鉛直分布情報から地上の時間積算降水量を推定する手法である。また、マイクロ波放射計観測を用いて降水鉛直構造の推定を現実的に行うことが可能であることを示した。従来、マイクロ波放射計観測では平面的な降水量の推定は行えるものの、立体的な情報を得ることを難しいと考えられており、本研究の成果はマイクロ波放射計観測の新しい可能性を示すものである。加えてMulti-task learningと呼ばれる機械学習手法を用いた新しい降水量推定手法を提案した。これまで個別に行われてきた降水有無の判定と降水強度の推定を同時に行うことによって、それぞれを個別に行う場合より推定精度が向上することがわかり、機械学習手法を用いた降水リトリーバルの改良の新しい方向性を示した。
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