研究課題/領域番号 |
19K15109
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22050:土木計画学および交通工学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
河合 菊子 (山田菊子) 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 研究員 (00466476)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | オーラルヒストリー / オンラインインタビュー / アーカイブ / 成熟度モデル / 女性技術者 / ペルソナ / シナリオ / 人間中心設計 / キャリア継続 / インタビュー / ロールモデル / 土木技術者 / 女性土木技術者 |
研究開始時の研究の概要 |
土木技術者に占める女性の割合は3.7%と低いが,30歳未満が50%を超え,今後は長期のキャリアを継続の支援策が求められる.申請者は発言の文字記録を立案する計画や施策に関わるステークホルダーを主語とするシナリオ(物語)に変換し,策定者の理解を促す方法を提案した.本研究では,この方法を,初期の複数の女性土木技術者に対するインタビューに適用し,女性技術者の長期にわたるキャリアを通じて直面する課題と,その課題を解決した法律,制度,支援を把握し有効性を確認し,分析の結果を冊子等に編纂して女性技術者とその支援主体に提供する.そして,インタビュー記録の恒久的保管方法の方針を見出すことを目的とする.
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研究実績の概要 |
2022年度はCOVID-19の感染拡大のために移動や人との接触が断続的に抑制された.高齢の話し手を対象とする本研究課題では,インタビューの実施は控えざるを得なかった.このため,(a) オンラインでのインタビュー方法の提案と実践,(b) 話し手の置かれた時点での社会の状況を評価する成熟度モデルの国際比較と評価ツールのユーザー要件の検討, (c) 音声,トランスクリプトなどの記録の蓄積をめぐる状況の把握を中心として研究を進めた.これらは本課題で定めた3つの研究課題((1)我が国の初期の女性土木技術者に対するインタビューから長期にわたるキャリアを通じて直面する課題と,その課題を解決した法律,制度,支援を把握する方法の有効性を把握すること,(2) 分析の結果をインタビューの記録とともに女子学生,女性技術者とその支援組織に提供すること,(3) インタビュー記録の恒久的な保管の方向性を見出すこと)の(1),(2),(3)に該当する. (a)については,土木学会D&I委員会と共同で,ウェブ会議システムを用いたインタビューの方法の確立に取り組み,「D&Iカフェトーク」での実践を継続し20件のインタビューを実施するとともに,録音・録画機材の変更と,運営や機材のマニュアルを改善するとともに,トランスクリプトの整備を進めた.また,海外出身の技術者を対象としたオンラインインタビューをもとにキャリア継続の課題を提案する方法により分析した.(b) については,2021年度に要件を定義した3つのツールについて,詳細化を進めた. (c) については,土木分野におけるオーラルヒストリの実施,記録の保管,分析の課題について,日本オーラル・ヒストリー学会オーラルヒストリー・アーカイブ・プロジェクト研究会において報告するとともに,大阪大学の拠点形成プロジェクトに参加し,アーカイブの運営のための要件を検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度はオンラインでのインタビュー調査に切り替え注力する予定であったが,感染拡大の変化から対面での実施を模索した結果,いずれの形式での実施に至らなかった.一方,成熟度モデルの情報収集とモデルを用いた評価ツールのユーザ要件,アーカイブに関する実態把握等については一定の進捗を見た.しかしながら,すでに当初想定した研究期間を超過しているため,「遅れている」と判断した.
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今後の研究の推進方策 |
コロナウイルス感染対策における行動制限は予測が困難であること,高齢の話し手の安全確保は何よりも優先すべき事項であることから,全面オンラインに切り替えインタビューを実施する.具体的には,2020年度に策定したオンラインによるインタビュー方法,様式,マニュアル等を活用してインタビューを実施しデータの取得を行う.また既取得のデータを合わせて分析を継続する.また,ユーザー要件を定めた社会や組織のD&I成熟度を評価するモデルの開発に,引き続き,人間中心アプローチにより取り組む.さらにデータの継続的公開と保管のためのアーカイブについて,運用のための具体的な交渉を開始する.研究成果は,日本オーラルヒストリ学会,土木学会に加え,Engineering, Construction and Architectural Management等の海外の雑誌に投稿を目指す.
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