研究課題/領域番号 |
19K15117
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22050:土木計画学および交通工学関連
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研究機関 | 京都大学 (2021-2022) 東京理科大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
田中 皓介 京都大学, 工学研究科, 助教 (30793963)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | public opinion / consensus building / newspaper / SNS / international comparison / information provision / RCT / public works / scapegoating / scapegoat / public policy / civil engineering / infrastructure / スケープゴート / ファクトチェック / フェイクニュース / 世論 / 公共事業 / バッシング / 土木 |
研究開始時の研究の概要 |
1990年代以降の日本においては,土木バッシングが世論に支持されてきたが,それらは必ずしも建設的な批判ではなく,事実に基づかず理性的とは言えない非難も散見される.なぜそのような不合理な土木バッシングを世論が支持するのか,その心理的メカニズムを明らかにすることが本研究の目的である. 本研究では,社会心理学の分野で論じられてきた自身を不安にさせる思考や衝動を誰かに帰属させる「スケープゴーティング」と呼ばれる心理現象に着目する. そして,1)報道における土木批判の論理構造を分析するとともに,2)心理実験により土木批判のメカニズムを実証的に明らかにし,3)バッシング意識低減に向けた知見を得ることを目指す.
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研究成果の概要 |
これまで問題視されてきた土木へのバッシング意識の研究をおこなった.社会情勢に対する認識との関連を考慮して分析することで,バッシング意識と経済的な不安との関連が示された.また,公共事業関係者の中でも,建設業者よりも公務員や政治家に対する否定的イメージが強く,米英と比べても特異な意識であった.SNSの分析でも日本のバッシング意識の強さが明らかとなった.さらに,年代別の意識差についても分析を行い,公共事業に対するバッシング意識は40代以上の世代に特徴的な意識であること,加えて,2010年代以降は公共事業についての新聞報道もまた大きく減少しており,世論状況の変化についても明らかとなった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2000年代以降にメディア報道で頻繁に取り上げられ,政治の中心的な課題となることもあった公共事業について,人々の意識を様々な側面から明らかにした.経済的な不安がバッシング意識と関連していること,他国と比べても公共事業に否定的な意識が強いこと,40歳以上で公共事業に対して否定的態度が強い一方で,40歳未満では否定的な態度が見られないこと,2010年代になって公共事業に対する報道が低調なことが明らかとなった.こうして世論状況を客観的に明らかにしたことは,公共事業を巡る理性的な議論の促進に資するものと期待される.
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