研究課題/領域番号 |
19K15126
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 公立鳥取環境大学 |
研究代表者 |
戸苅 丈仁 公立鳥取環境大学, 環境学部, 准教授 (60803830)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | メタン発酵 / マイクロ波 / バイオガス / 嫌気性消化 / 下水汚泥 / 下水汚泥の有効利用 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではメタン発酵における生分解性向上・バイオガス発生量増加を目的に、マイクロ波照射を用いた新しいメタン発酵システムを開発する。マイクロ波は極性分子である水分子に作用し、家庭用電子レンジなどで加熱熱源として用いられている。しかし、マイクロ波照射による水分子の振動で生じる非熱的効果については、その機構が解明されていない。本研究では、マイクロ波の非熱的効果の機構を明らかにし最大限利用するとともに、照射対象バイオマスの性状(含水率,組成など)ごとの、照射強度、照射時間、制御温度などの最適な照射条件を明らかにすることで、加温と生分解性向上を同時に行う省エネ型の新しいメタン発酵システムを開発する。
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研究成果の概要 |
マイクロ波照射によるメタン発酵でのエネルギー回収量の増加を試みた.回分式実験では余剰汚泥,消化汚泥へのマイクロ波照射で低温・低出力でもバイオガス発生量の増加が確認された. 375日間の連続実験では、MWを照射した余剰汚泥からのバイオガス発生量は、10W, 138J/g-wetの照射条件下で18.9%増加した。また,メタン発酵槽内の消化汚泥の10%にMWを50W, 90J/g-wetで1日1回照射したところ、バイオガス生産量は12%増加した。これらの結果より,MW非熱的効果によるメタン発酵システムの可能性が示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
メタン発酵は地域で発生する有機性廃棄物からエネルギー回収可能な処理方式として有用な処理方法である.しかし,下水汚泥,特に水処理工程を経た余剰汚泥や,メタン発酵後の消化汚泥は,生ゴミなどに比べて生分解性が小さく,バイオガス生成量も小さい.本研究の成果により,下水汚泥の生分解性を上げるための前処理として,低温・低出力のマイクロ波照射による効果が示された.メタン発酵における加温と同時に生分解性の向上が可能になるシステムなど,下水汚泥処理におけるエネルギー収支の改善への貢献が期待される.
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