研究課題/領域番号 |
19K15167
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
沼田 麻美子 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 研究員 (70724623)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 景観価値 / ドイツ / ローテンブルク / 建築規制 / 歴史的町並み / 景観規制 / 地域価値 / 景観 / 公共的価値 / 歩行者空間 / 住環境 |
研究開始時の研究の概要 |
日本では、人口減少を見据えて今から公共的価値の向上のため私的財産に影響した減価部分を補填していく仕組みをつくる必要性がある。 一方、ドイツのミュンヘンや同じバイエルン州に位置するニュルンベルクやローテンブルクでも建物の形状や緑化など住民に義務づけると同時に資産価値が上昇し続けている。ドイツの建設法典で、町の条例や計画策定の際に住民意見の担保が条例で位置づけられていることから規制を含む条例は民意の現れともいえる。 本研究ではそのような背景・考え方に立ち、厳しい建築条例のあるドイツの調査を通し、建物の形状、緑など景観価値を含めた適正に地価を評価することで公共的価値向上の方策を検討・提言するものである。
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研究成果の概要 |
ローテンブルクの旧市街地における建築規制に対する厳密な調査を経た建築許可があるもののその費用に対する助成はほとんどなく、住民負担により歴史的町並みが維持されている。しかし、住民は自動車交通など一定の利便性は担保しつつ義務と負担を負う建築規制に対して受け入れていることが確認できた。この背景として、建築規制や交通規制などの選択に住民の意向が強く反映されていること、また、不動産の建設費用に対する銀行の融資においても歴史的町並みや建物の価値など踏まえた上での融資が施されることがあげられ、条例による規制、銀行による融資によって地価が担保されていることが把握できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
資産価値の制限にも関わる建築規制を住民がどのように受け入れているのか、文献から資産価値に関する構造の把握、条例を制定している市役所のヒアリング、それに対する住民の意向調査など、様々な角度から調査した。日本では、建築規制を伴う条例を制定することは個人の資産価値に制限をかけると言われていたものに対して、ドイツのローテンブルクでは銀行、行政、市民により地価の向上にも寄与し、また住民は建築規制により地価が担保されているため、大きな抵抗がないことが把握できた。
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