研究課題/領域番号 |
19K15189
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
金城 春野 琉球大学, 工学部, 助教 (90739624)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 沖縄 / 米国統治 / 先進技術 / 地域主義 / 近代建築 / 戦後 / 米軍工事 / 米国統治期 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、戦後沖縄米国統治期における、先進建築技術の導入とその定着過程について明らかにすることを目的としている。対象とする先進技術は、米軍工事等によって輸入された材料、施工、設計、制度等とし、これらを包括的に扱う。研究方法は、当時の建設業関係者らによる経験談等が掲載された出版物、関係団体の機関誌、建設新聞及び公文書等の文献、図面、写真調査を主とし、聞き取りにより補足する。取り分け実態の把握では、地元技術者らが米軍工事で培った技術を地域の事情に適合させていった過程に焦点を当てる。これは、非先進地域における先進技術の導入方法の一事例を把握する試みであり、地方建築史に留まらない応用可能な側面を持つ。
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研究実績の概要 |
本研究は、戦後沖縄米国統治期の27年間(1945-1972年)における先進建築技術の導入と地域社会への定着過程について明らかにすることを目的とした。対象とした先進技術は、米軍工事によって輸入された材料、施工、設計などであり、これらを包括的に扱った。 これまでに、米国統治期の特異な状況下で計画が進行した①琉球政府立博物館(1966年竣工、現存しない)と②琉球銀行本店(1966年竣工、現在建替え工事中)を中心に研究を進めてきた。 研究対象①琉球政府立博物館については、研究成果をまとめて「琉球政府立博物館の設計変更に関する研究」と題して『日本建築学会計画系論文集』(査読付き論文)に投稿し掲載された。また、この論文を研究資料提供に協力頂いた沖縄県立博物館、那覇市歴史博物館、沖縄県公文書館に寄贈した。 研究対象②琉球銀行本店については、その成果を日本建築学会での口頭発表、当銀行関係者への講演、メディア取材(新聞、TV)などで広く発表した。 研究期間中にコロナ禍を挟み予定していた出張などを断念した面もあったが、研究対象や方法を柔軟に切り替え、課題としていた研究を問題なく遂行できた。また、当初予定では、2022年度が最終年度であったが、妊娠出産育児のため研究活動を約1年中断した。 最終年度となった2023年度は、②琉球銀行本店についての査読付き論文掲載を目標にして、資料分析と執筆を行った。論文は一度投稿し、再査読となったが、再査読中に自ら論文取り下げを行い掲載に至らなかった。取下げの理由は、これまでに未確認だった資料が新たに出てきたため、それらを精査する必要があると判断したからである。しかしながら、先述した通り、これまでに成果は広く発表してきたため、本課題として一定の成果を上げられたと評価している。また、最終年度ではあるが、③『残存建物調査書』に関する研究に着手し、資料整理状況を学会で報告した。
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