研究課題/領域番号 |
19K15196
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
渡邊 大志 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (60632114)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | 都市史 / インフラストラクチャー / 大阪港 / 淀川 / 琵琶湖疎水 / 水系 / 港湾 / 倉庫 / グリッド都市 / 尻無川 / 淀川水系 / インフラ / 大阪港近代化 / 港湾都市 / 築港 / ブルーインフラ / 東京港 / 港湾倉庫 / 近代港湾 / 伝統港湾 / 都市の把握モデルマトリックス / 港 / 都市モデル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本五大港である東京港・横浜港・大阪港・名古屋港・神戸港を対象とし、都市の港湾機能に不可欠な港湾倉庫群の配布から新たな都市モデルを提唱することを目的とする。ここでの「配布」とは、配置に至るまでの様々な紆余曲折を紡ぐ一筋の意図を指す。筆者は既に『東京臨海論』という都市論を出版しており、本研究をその継続研究と位置付けて①港湾倉庫群の配布構造、②それらが属する海洋航路によって再編される都市モデルの2点を明らかにする。海のインフラが港湾倉庫群を介して陸の都市を主体的に形成したとする先行研究は見当たらず、都市論・港湾論・港町研究などの分野で学術的波及効果が期待できる。
|
研究成果の概要 |
本研究は、それまでの東京港に関する研究から得た都市モデルについて、その他多くの国内外の近代港湾における適用可否を検証すると共に、東京港と同様に国策として戦略的に近代化された港湾を取り上げ、その特有の都市モデルをあぶり出すことを目的として遂行された。その結果、大阪港では研究開始当初は港湾の近代化に焦点を当てていたが、研究が進むに従い、歴史的にも地理的にもより大きな水系である淀川の近代化が京都と大阪の都市領域を超えて与えた影響があったことが明らかになった。また、港湾としても神戸港や広島港など瀬戸内海沿岸のその他の港湾と連携して港湾機能が近代化されていくなど新たな学術的問いを立てることができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で明らかにされた①港湾から見た都市モデルのローカリティ、②複数港湾の連携による港湾概念の構築とそれによる都市の近代化過程、③水系による都市領域横断型の都市モデル、の三つはいずれもこれまでの都市史研究や港湾都市研究には無かった視点である。今後に続く新たな問いを本研究を通じて学術界に提示できた。②は一港湾内に港湾機能を閉じた「閉鎖系港湾」に対して、同一の海域を共有する複数の港湾に港湾機能が開かれた「開放系港湾」の概念を生み出した。③はこれまで別々に研究されてきた庭園研究、建築研究、都市研究などを水路という具体的なインフラストラクチャーによってつなぎ、今後のイノベーティブな研究の基盤となる。
|