研究課題/領域番号 |
19K15198
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 日本大学短期大学部 |
研究代表者 |
石田 優 日本大学短期大学部, その他部局等, 助教 (40822309)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン / パウル・エンゲルマン / ストンボロー邸 / スケッチ / 左右対称性 / 秩序 / 無装飾 / 近代建築 / 空間構成 / アドルフ・ロース / ハインリッヒ・クルカ / ラウムプラン / ラウムプランニング / ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタイン / 3DCG / 平面計画 / ジャック・グロアーグ / 実測調査 / ルートヴィッヒ・ヴィトゲンシュタイン / 左右対称 / 比率 |
研究開始時の研究の概要 |
哲学者ルートヴィッヒ・ヴィトゲンシュタインが設計した「ストンボロー邸」は、無装飾な内部空間に高さ約3メートルかつ観音開きの巨大な二重ドアが設置されている。近年の申請者による一連の研究で、壁面の左右対称性の理論がこの建築において重要な建築言語であることを明らかにした。 本研究は、ストンボロー邸の最初の平面図を計画した建築家パウル・エンゲルマンを取り上げる。ヴィトゲンシュタインが設計に加わる以前に、エンゲルマンは数多くのスケッチを作成しており、それらに共通する建築理論の抽出を行うことを目的としている。これにより、両設計者の建築理論における共通性を導き出すことが可能となる。
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研究成果の概要 |
本研究は、哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインと建築家パウル・エンゲルマンが協同設計した「ストンボロー邸」(1926-28年)に内在する建築理論について、両者の視点から考察を試みた。これまでストンボロー邸は近代建築史のなかで、ウィトゲンシュタインの建築であることで評価されてきた一面がある。しかし実態は、エンゲルマンの初期構想のなかで描いたスケッチに見出された建築的特徴が、ウィトゲンシュタイン関与後の平面図において継続して読み取ることができる。このことから、エンゲルマンが一連のスケッチのなかで構築した建築理論も看過することのできない作業であったことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ストンボロー邸に内在する建築理論に関する研究において、これまでウィトゲンシュタインが取り上げられる一方で、エンゲルマンの建築家としての役割については論じられてこなかった。本研究の成果は、エンゲルマンの建築活動と一連の建築作品の特徴を整理したうえで、ロースの建築学校からストンボロー邸の設計を経て晩年のロースに関する著作まで概観した。そして、エンゲルマンがロースから受けた建築的な影響も鑑みながら、ストンボロー邸初期の構想においてエンゲルマンが描いた79枚のスケッチを分析することで、建築家エンゲルマンが見出した建築理論について考察した。この点において、学術的な意義があると考えている。
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