研究課題/領域番号 |
19K15199
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 北海道博物館 |
研究代表者 |
鈴木 明世 北海道博物館, 研究部, 研究職員 (30823942)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 民家 / 生活文化 / 北海道開拓 / 構法 / 建築資料 / アーカイブズ / 寒冷地 / 歴史的建造物 / 北海道 / 農家住宅 / 建築技術 / 野外博物館 / 農家建築 / 富山県 / 新潟県 / 開拓の村 / 建築 / 郷土史 / 建築史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、明治期の北海道への移住者たちの住宅建築の変遷において、環境適応技術のみならず母村の文化的要素がいかに影響しているか明らかにすることを目的としている。 研究期間においては、明治期北海道の建造物を多く移築復原している「野外博物館 北海道開拓の村」のうち、「旧樋口家農家住宅」「旧菊田家農家住宅」を対象として、図面等各種建造物関連資料の収集や、移住先・母村の文献調査及び現地調査を行い、それらの成果を包括的に分析していく。
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研究成果の概要 |
本研究では、明治期の北海道への移住者が郷里(母村)の文化を住宅建築にどのように取り入れてきたかを明らかにすることを目的とした。野外博物館北海道開拓の村に移築復原された農家住宅建築を対象にして、移築復原時の資料を整理するデータベースを構築し、郷里と移住先での建造物の形態を比較分析した。その結果、構造的な類似性だけでなく、郷里の生活文化や産業の影響のもとで建設され、北海道の気候や資材に適応する形で変容した過程が明らかになった。さらに、郷里と移住先が密接に関係して建設された事例も確認され、移住者の文化的背景が住宅建築に及ぼした具体的な影響を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、本州以南において数百年を超えて連綿と受け継がれてきた文化を持つ地域から移住し、北海道という新天地で暮らし始めた人びとが、どのような生活文化を紡いでいくか、その継承と適応の過程を「建築」を通して明らかにすることであり、地域の歴史やそこでの文化遺産の価値を再評価する契機となることにつながっていくものと考えている。特に、開拓の村の建造物を通じて、移住者たちの生活様式や建築技術が、どのような変遷過程を辿ったかを示すことにより、北海道民にとっての郷土史の再考機会の提供や、北海道外からの観光客に対する教育的効果にもつながっていくことを目指した。
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