研究課題/領域番号 |
19K15201
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 飯田市歴史研究所 |
研究代表者 |
福村 任生 飯田市歴史研究所, 研究部, 研究員 (40833918)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 歴史GIS / デジタル・アーカイブズ / 下伊那 / 文化的景観 / 近代民家 / 建物台帳 / 明治期地籍図 / 景観 / GIS / デジタルアーカイブズ / 明治20年代町村地図 / 地引絵図 / 川路 / 宿場町 / 清内路 / 旧飯田町 / 建物原簿史料 / 近代地籍図 / 飯田・下伊那 / 風景構造 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、飯田・下伊那地域の風景の形成史に関する基礎的研究である。明治20年代に下伊那郡の各地で調製された最初の測量地籍図と土地台帳情報のデジタル化とGIS(地理情報システム)による空間統計分析を行い、土地利用だけではなく土地所有や社会構造など、風景の「見えない構造」をも分析対象に含める。初年度はまず、明治中期の測量地籍図(旧公図)とその関連史料群の残存状況や作成背景を整理しつつ、旧飯田町近郊の段丘部の景観の分析を中心的に取り組む。次年度では、清内路街道と三州街道沿いの山里地域で史料収集と分析を行い、最終年度に複数の場所の研究成果の比較により、当該地域の歴史的な風景の形成とその特徴をまとめる。
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研究成果の概要 |
信州最南部の飯田・下伊那地方における歴史的景観の変遷に関して、現存する明治期の町村地図や建物台帳の歴史資料をGISデータとして数値地図化し、そこから近世から近代における景観構造の変遷を考察した。具体的な地域としては、①旧飯田城下町地区、②旧下川路村を対象に復元データベースの構築を行い、土地利用や宅地および民家建築の空間的統計情報を整理し、それぞれ当地域における都市景観と農村景観の具体事例として、景観構造の実態把握に努めた。 本研究の主要な成果は、当地方の社会経済の近代化に大きく寄与した蚕糸業ブーム到来以前の明治20年代の農村景観の事例として、下川路村の景観復元図を作成したことに求められる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
飯田・下伊那地方に関する既往研究は主に社会史や経済史の分野に集中しているが、本研究は、それらの蓄積に学びつつも、これまで考慮されてこなかった景観の空間構造という視点を導入したことに学術的意義がある。また、これまで民家史研究の立場から当地域を代表する本棟造民家が研究されてきたが、これらの研究は現存する建築物に頼ってきたため、今日失われたその他の民家類型との比較考察が不十分であった。本研究では、明治期の町村役場史料の建物台帳を活用することで、本棟造以外の伝統的な民家類型を過去の景観構造と関連づけて研究するひとつの手法を提示した点も意義深いと考えられる。
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