研究課題/領域番号 |
19K15210
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分24010:航空宇宙工学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山口 皓平 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (30808613)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | near-Earth asteroid / trajectory optimization / kinetic impactor / gravity tractor / asteroid deflection / artificial halo orbit / 地球接近小天体 / 小天体衝突機 / 重力トラクタ / プラネタリーディフェンス / 小惑星衝突回避 / 軌道最適化 / 軌道制御 / 最適制御理論 / 姿勢制御 / スペースガード / 宇宙推進システム / 軌道力学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,人類にとって深刻な災害の一つである小惑星の地球衝突問題に対して,その軌道を変更し,地球への衝突確率を最も低減させる最適なミッションの設計システムを確立する.まず取り組むのは,宇宙機を小惑星に衝突させる手法の研究であり,全く新しい発想で衝突効果の最大化を行う.次に取り組む,大質量の宇宙機が持つ万有引力で小惑星を牽引する手法では,宇宙機構造と制御則を同時に最適化し,特殊な軌道を導入した複数宇宙機による同時牽引を達成する.最後に,これまでの研究内容を取りまとめ,小惑星の地球衝突確率の低減という新たな尺度でミッション全体を最適化するシステムとして確立させる.
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研究成果の概要 |
地球に衝突する恐れのある小天体の軌道を予め変更し,衝突を回避する手法について検討した.小天体衝突機を用いる手法においては,衝突時の速度ベクトルの幾何的な関係解析により,衝突速度の大きさを小さく保った上で軌道変更距離を増大する衝突軌道設計手法を実現した.また大質量宇宙機を天体近傍に停留させ,間に働く万有引力で長時間牽引し軌道変更する手法では,人工ハロー軌道に宇宙機を投入する手法を検討した.ハロー軌道の形状を定義するパラメータを変数に持つ運動方程式の導出に加え,複数ハロー軌道間の遷移制御則を提案した.これより,小天体の公転位置に応じたハロー軌道の選択が可能となり,効果的な軌道変更が可能となった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
天体の衝突災害は地球規模の問題であり,研究の社会的意義は非常に大きい.衝突機の速度ベクトルの幾何関係が定義するimpact-geometryの増大を行う軌道設計手法は独自のものであり,学術的に重要である.得られた成果である速度の大きさの抑制と軌道変更距離の増大の両立は,ミッション全体の成功率を改善するものであり,意義は大きい.重力トラクタにおいて導いた運動方程式は人工ハロー軌道にある宇宙機制御に特化したものである.ハロー軌道の維持,ハロー軌道間の遷移という2つの制御則の有効性を架空の牽引ミッションを通して示されており,小天体の軌道変更の研究分野に対するインパクトは十分である.
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