研究課題/領域番号 |
19K15211
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分24010:航空宇宙工学関連
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
下迫 直樹 上智大学, 理工学部, 研究員 (80838095)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 宇宙機 / コンタミネーション / 汚染 / 光触媒 / 真空 / 窒化ガリウム / ジルコニア / 二酸化チタン / コンタミ |
研究開始時の研究の概要 |
本申請の目的は,真空環境下で長期間機能する光触媒の開発である. 軌道上において,宇宙機材料から放出された有機物が光学機器に付着し,宇宙機からの光学測定による測定値強度が時間とともに低下することが報告されている.付着した汚染物質を軌道上で取り除くために,申請者は「光触媒」に着目した.真空環境下でTiO2光触媒は汚染物質を分解し,TiO2表面から汚染物質を取り除くことができた.しかし,真空環境下では分解速度が徐々に低下し,約1日で分解が停止することが明らかとなった.より長期間機能する光触媒を開発するために,真空環境下で分解が停止する原因を明らかにし,真空環境下で長期間機能する光触媒を開発する.
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研究成果の概要 |
真空環境下で光触媒活性が低下する原因解明のため,二酸化チタンによるメチルレッドの分解実験を行った.その結果,真空環境下では活性酸素種,ラジカル連鎖反応が生じない,光触媒活性が低下することを明らかにした. また,水晶振動子マイクロバランスを用いた光触媒活性の評価や,窒化ガリウムとジルコニアの基本的な光触媒活性の評価も行った.水晶振動子マイクロバランスを用いて汚染物質の質量減少から光触媒活性を評価することに成功し,窒化ガリウムの光触媒活性は二酸化チタンと同程度,ジルコニアの光触媒活性は二酸化チタンの10倍以上であることがわかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
真空環境下で光触媒活性が低下する原因解明は,真空環境下でより長期間動作する光触媒の開発に貢献できると考える.また,水晶振動子マイクロバランスを用いた光触媒活性の評価は,宇宙機用光触媒の光触媒活性評価の標準的な手法となると考えられるため,今後の宇宙機用光触媒の開発を加速させると考える.窒化ガリウムとジルコニアの基本的な光触媒活性の評価は,これまで地上では利用されてこなかった光触媒材料の宇宙利用の可能性を見出した.これらの成果は,宇宙航空の分野のみならず,光触媒の分野にも貢献したと考える.
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