研究課題/領域番号 |
19K15249
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分25020:安全工学関連
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研究機関 | 福岡大学 (2022) 横浜国立大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
塩田 謙人 福岡大学, 工学部, 助教 (30827837)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | イナーティングシステム / 限界酸素濃度 / 毒性ガス / リスク / 危険性解析 / リスク評価 |
研究開始時の研究の概要 |
可燃性ガスを取扱うプロセスでは、通常、イナーティングシステムとして、不活性ガスを導入し酸素濃度を0にし、火災・爆発の危険性を取り除いている。しかし、一部の化学プラントや反応器では、酸素濃度を0にすることが出来ず、限界酸素濃度(LOC)以下にすることで火災・爆発の危険性を小さくしている。一方で、トラブル等による反応で生成するガスの有害性についての議論には余地がある。そこで本研究では、LOC以下のイナーティングシステムにおける新規リスク評価手法提案を目的とし、生成する毒性ガスに関する影響評価のため、LOC以下の組成領域内で各種パラメータを変化させた際に生成するガスについて実験・計算的解析を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、限界酸素濃度(LOC)以下のイナーティングシステムにおける新規リスク管理手法の提案に資する知見の取得を目的とした。本研究より、プロパン等の炭化水素を用いた計算・実験からLOC以下の酸素濃度雰囲気において毒性ガスが生成する挙動を特定した。新規リスク評価手法に資する知見としては、プロセスの対象物質が不活性雰囲気で飽和炭化水素を生成する場合、アンモニア等の毒性ガスが生成する点、飽和炭化水素の生成割合から計算的に毒性ガスの生成挙動を簡易的に予測できる点、毒性ガスのリスクについて急性毒性だけでなく社会生活への影響をリスクとして考慮すべき点などが挙げられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今までの研究では、可燃性ガスを取扱うプロセスにおける不活性ガスを導入し酸素濃度を低くすることで火災・爆発の危険性に着目しているが、本研究はそのような環境下における毒性ガスの生成の挙動や危険性について着眼し、それらについて解析・考察した点に学術的に意義がある。また、今回の研究から明らかになった毒性ガスの生成が及ぼす危険性について、人体・環境への毒性に留まらず社会生活への影響を考慮したとして扱うべきだという点は社会的に意義があり、今後起こりうる自然災害などに起因した複合災害のリスク評価を考えるうえで重要な視点であると考えられる。
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