研究課題/領域番号 |
19K15254
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分25020:安全工学関連
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研究機関 | 科学警察研究所 |
研究代表者 |
市川 俊和 科学警察研究所, 法科学第二部, 研究員 (70822063)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 加熱式たばこ / 火災 / くん焼 / 熱分析 / 安全工学 |
研究開始時の研究の概要 |
たばこは死者発生住宅火災の主要原因であり、火災の原因究明や予防の観点から大きな関心を持たれている。紙巻たばこの燃焼形態はくん焼(無炎燃焼)であり、可燃物との接触から出火に至ることが知られている。近年、着火に裸火を使用せず電気ヒーターで加熱する加熱式たばこが急速に普及し始めたが、加熱器の連続使用時における加熱器内たばこ残渣物の火災危険性や、様々な可燃物に対する延焼・引火危険性は十分には明らかにされていない。本研究では、加熱式たばこの温度特性、熱特性、燃焼形態、周囲可燃物への延焼危険性、可燃性ガスへの引火危険性を実験により明らかにし、実大規模の出火実験を行うことで、予想される火災危険性を抽出する。
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研究実績の概要 |
電気ヒーターの加熱で喫煙する加熱式たばこの火災危険性を明らかにすることを目的として、加熱式たばこ及びその加熱器を対象として、たばこ葉及び加熱器内部ヒーターの温度測定を行うとともに熱重量示差熱同時分析装置を用いて窒素・空気雰囲気下で加熱式たばこの熱分析を行った。測定対象には、加熱式たばこは純正品(HeatSticks)及び中国製をはじめとする互換品(茶葉スティク、ハッカスティック等)、加熱器はたばこ製造会社が販売する純正品(IQOS)及び中国製の互換機を選定した。 温度測定の結果、互換機は加熱時間が純正品より短い傾向にあるもののヒーター部最高温度が440℃以上と純正品IQOSのヒーター部最高温度よりも80℃以上高い製品が存在することが判明した。空気雰囲気下でのTG-DTA測定の結果、加熱式たばこ互換品の中には300℃程度でくん焼開始する製品があることを明らかにした。 本研究課題に関して、令和5年度は国際学会発表を1件行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国際学会APSS(Asia Pacific Symposium on Safety)2023においてProceedingsを提出し、発表を行った。火災学会誌の<特集:火災安全の立場から見た加熱式たばこの現状>において報告記事が掲載された。
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今後の研究の推進方策 |
これまで得られた成果をもとに互換品を含めた加熱式たばこ及びその加熱器の火災危険性について評価を行う。補足実験等を行い得られた新規知見については、学会発表等で公表する。
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