研究課題/領域番号 |
19K15256
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分25020:安全工学関連
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研究機関 | 一般財団法人日本自動車研究所 |
研究代表者 |
國富 将平 一般財団法人日本自動車研究所, 安全研究部, 研究員 (10838014)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 事故自動通報 / 傷害予測 / 歩行者 / 深層学習 / 画像認識 / 衝突安全 / シミュレーションモデル / AACN |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,深層学習手法を用いたAIを活用することで歩行者衝突画像から歩行者の傷害レベルを傷害部位別かつ高精度に予測することである. そこで本研究では,車載カメラを模擬した歩行者衝突画像とその傷害レベルを基に深層学習を実施し,衝突画像と傷害の関係を学習したAIによる世界初の傷害予測アルゴリズムの構築を試みる.さらに歩行者に生じた様々な傷害部位における傷害レベルを学習することで,従来手法では不可能であった傷害部位単位での傷害レベル予測を実現し,「傷害予測精度の飛躍的な向上」と「救急医療機関への各負傷者に応じた適切な傷害情報の提供」を目指す.
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研究成果の概要 |
本研究の目的は,これまでに構築した深層学習を用いた歩行者傷害予測手法を基に,予測対象者と予測傷害部位を拡大することで歩行者の体格差が予測モデルの精度に与える影響を明らかにするとともに,傷害部位単位での傷害予測を試みることである. 提案手法において,歩行者の体格の違いが頭部傷害予測精度に影響を及ぼすことが確認された.また,体格差を起因とする頭部衝突エリアと歩行者情報量の違いによって,車両加害部位と画像に含まれる歩行者特徴量が変化し,予測精度に影響を与えたと考えられた.さらに頭部と脚部の傷害部位単位での傷害予測において,作成した予測モデルの正解率は88.2%であり,その高い傷害予測性能が確認された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在の先進事故自動通報システムにおける傷害予測アルゴリズムは,自動車前席乗員のみを対象としており,令和3年における日本の交通事故死者数の35.7%を占め,最も対策が必要とされる歩行者は適用外である.また,衝突時に様々な歩行姿勢や回避行動がとられる歩行者への予測精度は低く,その傷害予測が困難であることが報告されている.本研究成果は,提案する深層学習による画像認識を用いた歩行者傷害予測手法において,対象とする歩行者の体格差を考慮した対策の必要性を示すとともに,歩行者の傷害部位単位での傷害レベル予測の実現性を示唆するものである.
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