研究課題/領域番号 |
19K15270
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
工代 健太 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, 研究官 (30826003)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 液状化 / 細粒分 / 砂質土 / 地盤沈下 / 津波 / 不規則波 / 津波氾濫解析 |
研究開始時の研究の概要 |
地震時に液状化による地盤沈下が津波氾濫挙動に大きな影響を与えることから,津波氾濫解析は平面的な液状化による地盤沈下量を適切に評価したうえで行う必要がある.津波氾濫解析では比較的広いエリアを対象とするため液状化による地盤の挙動まで数値解析により再現することは計算負荷の点から困難である.そのため,液状化の地盤沈下を簡便に予測できる手法が必要である.本研究では外力特性と地盤特性の双方を反映し液状化による地盤沈下量の平面的分布をより正確かつ簡便に予測できる手法を構築する.さらに構築した手法の津波氾濫解析への適用方法について検討する.
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研究実績の概要 |
研究は地盤の状況や地震動の波形から得られる情報などから液状化による平面的な地盤沈下量を簡易的に推定する手法を構築し,数値解析による津波氾濫予測の精度を向上させることを目標に実施しているものである.津波災害を受ける臨海地域の地盤には細粒分を含む地盤が多くみられる.しかし,細粒分混じり混合砂質土の液状化特性や地盤沈下量については十分な検討がなされていない.昨年度は地盤に含まれる細粒分の量や性質が液状化による地盤の液状化特性や体積ひずみに及ぼす影響について実験的に検討し地盤の液状化強度と体積ひずみの間に高い相関関係があることを示唆する結果を得た.今年度は母材砂の均等係数や細粒分をより幅広く変化させた実験を行い、液状化強度と体積ひずみとの相関をさらに検討した.その結果、母材砂や細粒分の特性によらず両者に高い相関関係があることを示す結果が得られた.また、全体的には塑性が中程度以下の細流分を含む場合、その含有率が大きいほど沈下量が上昇する傾向が見られた。地震外力が液状化した細粒分混じり地盤の沈下量に及ぼす影響を検討するため、中空ねじり試験において液状化初期の沈下量と地盤が液状化した後にさらに外力を負荷した場合(完全液状化時)の沈下量を比較した.その結果、完全液状化時には初期液状化時の2から3倍程度の沈下量が生じ、既往研究で得られている砂のみから成る地盤の沈下特性と同様の傾向を示す結果が得られた.以上から、地盤条件と地震外力条件の双方から、細粒分混じり地盤の液状化強度を予測するための基礎的な知見が得られた.
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