研究課題/領域番号 |
19K15275
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26010:金属材料物性関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
高橋 亮 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (80822311)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 第一原理計算 / 機械学習 / 能動学習 / データベース / マテリアルズインフォマティクス / 材料データベース |
研究開始時の研究の概要 |
近年、第一原理計算の結果を収集した材料計算データベースが世界各国で公開されており、機械学習の手法を用いて物性値の予測モデルを構築する研究が盛んに行われている。しかしながら、既存の材料計算データベースでは、計算の精度の問題と、構成元素種や構造について偏りがあるという問題がある。 本研究ではまず既報物質に最新の第一原理計算手法を適用して高精度データベースと予測モデルの構築を行う。その後、元素種とプロトタイプ構造を組み合わせ未知物質の計算モデルを作る。これらの数は膨大で全ての計算は不可能なので、データの偏りを解消するモデルのみ計算を行うことでデータを追加し、データベースと予測モデルの汎用性を向上する。
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研究成果の概要 |
系統的な第一原理計算のための自動化プログラムを構築し、開発したプログラムを用いて多様な結晶構造型を持つ1,266の酸化物の誘電定数の系統的な計算を行った。また、誘電率を電子系・格子系の寄与に分け、それぞれについて機械学習により予測モデルを構築し、また誘電率の支配因子を抽出した。 一方で能動学習の手法について、既存データベースにuncertainty samplingを適用することで、未知データに対する予測モデルの予測精度が、少数のデータの追加によって大きく減少させることができることが分かった。さらに、所望の範囲に物性値が収まるデータを優先的に計算対象として探索を進める手法を開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、多数の物質の多様な物性を効率よく計算できるプログラムを開発し、大規模な計算材料データベースを構築することができた。誘電率について機械学習を行うことにより、高速・高精度な予測モデルの構築に成功し、さらに誘電率の支配因子をデータ科学的に求めることに成功した。 一方で、能動学習により未知のデータを効率よく選択しバランスの良いデータベースを構築できることを示した。 本研究により開発されたプログラム、データベース及び機械学習に構築された予測モデルと支配因子、能動学習の手法は今後のデータ科学・機械学習を用いた効率的な材料探索の基盤技術となると考えられる。
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