研究課題/領域番号 |
19K15277
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26010:金属材料物性関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山崎 重人 九州大学, 工学研究院, 准教授 (00804741)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | クリープ / 磁性 / 拡散 / 鉄鋼 / 磁気変態 / 微細組織 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、強磁性の鉄では常磁性の場合よりも拡散が抑制されることに着目し、磁気変態温度の制御することで使用温度域における拡散速度を低減し、フェライト系耐熱鋼のクリープ変形に対して「磁気変態温度の制御による拡散速度低減」という新たな強化概念の確立を目的とする。さらに、得られた結論に基づいて使用温度における最適組成を決定し、次世代フェライト系耐熱鋼の試作とクリープ強度の評価を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、15mass%のCrを含むフェライト鋼について、Co添加に伴う磁気特性の変化とクリープ強度の関係を調査した。Co添加によって鋼の体積磁化が室温から約800℃の温度範囲で増大し、Co添加量が異なる鋼種間の最小ひずみ速度の比と体積磁化の差は温度に対して類似した変化を示したことから、鋼の磁化の大きさがクリープ強度と密接に関連しており、磁化が大きいほどクリープ強度が上昇することが示された。とくに、低Co鋼のみが強磁性を失うが高Co鋼は磁化を維持する温度範囲において顕著なクリープ強度差が生じることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果はフェライト系耐熱鋼の強化法に対して新たな観点を与えるものであり、次世代の耐熱鋼開発において重要な知見となる。とくに、コバルトは希少かつ高価な元素であるため、その添加量を最適化する上で本研究で明らかとなった「磁化と強度の相関関係およびその温度依存性」は極めて有用なものである。
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