研究課題/領域番号 |
19K15279
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26010:金属材料物性関連
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研究機関 | 大阪大学 (2020) 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 (2019) |
研究代表者 |
山下 享介 大阪大学, 接合科学研究所, 助教 (20829080)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 中性子回折 / 加工誘起変態 / リューダース変形 / TRIP効果 / 高強度鋼板 / 加工硬化 / 結晶方位 / 応力分配 / 中Mn鋼 / 不均一変形 / デジタル画像相関法 / その場観察 / マルテンサイト変態 / その場測定 / 鉄鋼材料 |
研究開始時の研究の概要 |
自動車用高強度鋼板における加工中にオーステナイトがマルテンサイトとなる加工誘起相変態は、鋼の機械的性質の向上に対し重要な役割を担う現象である。次世代鋼として期待されるマンガン(Mn)鋼では、変形中に断続的に生じる局所変形が加工誘起相変態に大きく影響するが、従来の手法では測定領域に生じた局所変形を同定できず、局所変形下の各構成相の変形挙動や結晶方位の変化などの正しい評価は困難であった。本研究では、引張変形中その場中性子回折と赤外線サーモグラフィによる局所変形の同定を同時に行う手法を確立し、Mn鋼の優れた機械的性質の発現メカニズムに対する局所変形中に生じる加工誘起相変態の役割を明確化する。
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研究成果の概要 |
中Mn鋼に対してDIC法によるひずみ分布測定と赤外線サーモグラフィによる温度測定を用いた局所変形の同定手法を組み合わせた引張変形中その場中性子回折法を行い、局所変形中のオーステナイト(γ)の加工誘起相変態挙動の明確化を試みた。本研究で用いた中Mn鋼は局所変形を生じた後に非常に大きな加工硬化を示した。局所変形が中性子回折の測定領域を通過した際に多くのγが方位によらず相変態していた。局所変形により多くのγは相変態してしまうため、局所変形後にはほとんど強度は担わなくなるが、生成したマルテンサイトが強度と加工硬化に大きく寄与していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を通して得られた結果は、中Mn鋼の複雑な変形挙動とそれに対する加工誘起相変態挙動の影響を理解していく上での基礎的な知見として資するものである。また、引張変形中その場中性子回折法に局所変形の同定法を組み合わせた本研究の手法は、中Mn鋼に限らず、局所変形中に生じる変形挙動や相変態挙動を解明するための強力なツールとなり得るため、中性子科学や鉄鋼材料学の今後の発展に寄与できると考える。
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