研究課題/領域番号 |
19K15282
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 東京工業大学 (2020) 東北大学 (2019) |
研究代表者 |
白石 貴久 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (50758399)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 蛍石型酸化物 / 結晶相制御 / 電界印加 / 熱処理効果 / 歪制御 / 蛍石型酸化物膜 / 強誘電性 / ドメイン構造 / 相形成メカニズム / バッファー層 / 特異環境場 / ナノドメイン / 超薄膜 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、(Hf0.5Zr0.5)O2超薄膜を用いてドメイン構造の制御手法を確立することである。そこで、膜と基板の界面にバッファー層を導入することで歪制御を行う。これより、歪量がドメイン構造に与える効果を明らかにする。次に、種々の温度で結晶化した膜に対してマルチスケールでの評価を行うことで、ナノドメインの形成機構と、歪が形成過程に与える効果を明らかにする。最後に、キャパシタ構造(Pt/膜/下部電極/バッファー層)を作り、電界印加前後の膜に対して組織観察を行うことで、ドメイン構造の変化を調査し、ナノドメインのスイッチング機構と、歪がスイッチング現象に与える効果を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、蛍石型酸化物膜が内包する極性ナノドメインの形成過程を解明し、その制御に関する学理の究明することである。制御因子として歪,温度,電界に着目し、各因子による構造変化を調査した。まず、歪制御に向けて最適なバッファー層を見出し、膜の結晶相制御に成功した。次に、結晶化過程でのドメイン生成を調査するために、熱処理条件を変えた膜に対して透過電子顕微鏡による組織観察を実施することで、ナノドメイン構造の形成過程に関する知見を得た。最後に、電界印加による電気特性評価より、ドメインスイッチングに関する知見を得た。 以上より、種々の環境場を利用した構造制御と物性向上の可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
強誘電体蛍石型酸化物膜は、IoT社会の実現を支えるキーマテリアルとして注目されており、材料開発とデバイス開発が盛んにおこなわれている。しかし、実用に足る電気特性を達成するには種々の課題があり、その克服には膜の構造(特に、微細組織)制御に関する技術の確率が不可欠である。 本研究では、強誘電性の起源である直方晶相から成るナノドメインの制御を目的としており、得られた知見は材料設計およびデバイス設計を行う上で重要なものであるため、社会的意義は大きいと考えている。特に、温度と電界に対するナノドメイン構造の形成および変化に関する知見は、蛍石型酸化物群にとって普遍的なものであるため、学術的意義は大きい。
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