研究課題/領域番号 |
19K15283
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
谷村 洋 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (70804087)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 光相変化材料 / 超高速分光 / 超高速現象 / 超高速分光法 / 半導体 / 光物性 / 固体物理学 |
研究開始時の研究の概要 |
光相変化材料は、フェムト秒レーザーを光源とする光励起によって、従来の1000倍程度高速なピコ秒オーダーでアモルファス化することが知られている。この現象が初めて報告されて以降、過程の詳細を明らかにすべく、精力的な研究が展開されてきた。主な測定手法として時間分解X線回折法や電子線回折法などが用いられ、相変化過程における原子ダイナミクスが明らかになってきた。一方で、相変化材料の特性に大きく寄与する、共鳴結合を形成する電子系の果たす役割は現在も不明確なままである。本研究ではフェムト秒レーザーを用いた時間分解分光法や時間分解光電子分光法を主に用い、相変化過程において電子系が果たす役割を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、DVDやBlu-rayディスクの記録面に用いられている物質である光相変化材料に関する研究である。光相変化材料は結晶相とアモルファス相に大きな光学的特性の際を有する物質であり、その特性は結晶相にのみ存在する共鳴結合という特異な結合に由来していると考えられている。本研究では、共鳴結合結晶を対象として、その光学的特性の調査を行った。特に本研究では光照射による電子励起や試料温度上昇による効果が共鳴結合に与える影響に着目し、光学的特性の変化の解析を行った。研究の結果、共鳴結合は物質の原子の配置に非常に敏感に応答し、光学的特性が変化しうるということを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
情報化社会が高度化する現在、情報記録技術は非常に重要な技術である。DVDやBlu-rayディスクは情報記録密度、情報の保持性などに優れており、広く普及している。これらの記録面には光相変化材料と呼ばれる物質が用いられており、ナノ秒レーザー照射により結晶相とアモルファス相の制御を行っている。近年、光相変化材料にフェムト秒レーザーを照射することにより、従来の1000倍程度高速なピコ秒程度でアモルファス化することが報告されているが、原理や機構は明らかになっていない。本研究では、光相変化材料の結合が光照射により生じる原子振動によって不安定化することを明らかにし、アモルファス化過程の一端を明らかにした。
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