研究課題/領域番号 |
19K15287
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
笠松 秀輔 山形大学, 理学部, 准教授 (60639160)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 第一原理計算 / 熱力学 / ジルコン酸バリウム / 機械学習 / 燃料電池 / 固体電解質 / 統計熱力学 / イオン伝導体 / セラミックス / レプリカ交換モンテカルロ法 / ニューラルネットワーク / ドーピング / BaZrO3 / 拡張アンサンブル法 |
研究開始時の研究の概要 |
燃料電池や全固体リチウム電池などの次世代電気化学デバイスの実用化のため、高性能な固体電解質の開発は急務である。本研究では、固体電解質中の原子の並びを計算機の中で再現し、その性能の微視的起源を明らかにすることで、材料設計のための指針を得ることを目的とする。具体的には、統計物理学の分野で実績を重ねてきたレプリカ交換法などのサンプリング手法を第一原理計算と組み合わせることで固体電解質の膨大な自由度に対応した計算を行う。プロトン伝導体として有望視されるBaZrO3 を題材に、イオン伝導性を最大化するための最適なドーピングスキームを提案し、材料開発を飛躍的に加速する。
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研究成果の概要 |
燃料電池や全固体電池などの次世代エネルギー変換デバイスの実用化のためには、イオンを高速に伝導する固体材料(固体電解質)の開発が急務である。多くの固体電解質ではセラミックス系の物質に不純物をドーピングすることでイオンキャリアを導入するが、ある程度以上不純物濃度を増やしていくと伝導度が低下してしまうものがほとんどである。本研究では、量子力学および熱力学の原理に基づく大規模シミュレーション研究によってこの問題に取り組んだ。材料中に不純物がどのように分布し、その結果としてイオン伝導性がどのように決定づけられるかを、中温動作型燃料電池の電解質材料として有望視されているジルコン酸バリウムを題材に解析した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水素を燃料として発電する燃料電池は、次世代型のクリーンエネルギーデバイスとして有望視されている。すでに製品化されているものもあるが、主にコストや耐久性の問題から広く用いられるには至っていない。本研究成果は、高性能化、低コスト化が見込める中温(400℃)動作型燃料電池を実現する上で不可欠な固体電解質の開発に資するものである。また、より基礎学術的観点から述べると、多元素から構成される複合酸化物材料中の原子配置の材料合成条件に応じた予測、およびその結果を使った物性予測を可能にした先駆的な研究である。
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