研究課題/領域番号 |
19K15290
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
布谷 直義 大阪大学, 工学研究科, 助教 (40715314)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 環境触媒 / 亜酸化窒素 / 直接分解 / 希土類 / 希土類酸化物 / C型構造 |
研究開始時の研究の概要 |
亜酸化窒素は、二酸化炭素の約300倍の温室効果を示すことに加え、フロン同様にオゾン層を破壊する原因物質でもある。亜酸化窒素を分解する触媒の報告例はあるが、高価かつ希少な貴金属を用いている、もしくは高温や他ガスの耐久性に問題があった。本研究では、高効率で亜酸化窒素を窒素と酸素に分解でき、かつ耐久性に優れる貴金属フリー触媒を創成することを目指す。これを実現するため、格子内に大きな隙間を有する立方晶C型希土類三二酸化物に着目する。さらに、触媒に酸素貯蔵放出能を付与することで、亜酸化窒素分解に触媒自身の格子内酸素を関与させ、亜酸化窒素の分解を促進させる。
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研究成果の概要 |
地球温暖化およびオゾン層破壊の原因となる亜酸化窒素(N2O)ガスを高効率で除去するため、新規なN2O直接分解触媒の創成を行った。格子内に大きな間隙を持つ立方晶C型希土類三二酸化物構造を有するYb2O3に着目し、さらに、格子内酸素も反応に関与させるために酸化還元しやすいイオン(Co2+/3+,Cu+/2+)を導入した。その結果、(Yb0.85Cu0.15)2O3-δにおいて最大の活性が得られ、400℃でN2Oを完全分解できることを明らかにした。さらに、立方晶C型構造における格子内間隙がN2Oの吸着および活性点になっていることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、温室効果に加え、オゾン層破壊効果もある亜酸化窒素を分解するため、触媒の格子内間隙および格子内酸素に着目し、これらを活用した新規な貴金属フリー触媒の創成を行った。その結果、亜酸化窒素を効率的に無害な窒素と酸素まで直接分解でき、かつ他ガス(酸素や水蒸気)共存化においても高い活性を維持できることを明らかにした。
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