研究課題/領域番号 |
19K15295
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
大曲 新矢 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (40712211)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ダイヤモンド / 欠陥 / 転位 / 化学気相成長法(CVD) / ショットキーバリアダイオード / デバイス / 金属 / ショットキー / パワーデバイス / 薄膜 / 結晶成長 |
研究開始時の研究の概要 |
結晶中の一次元的な原子のずれによって生じる転位は,耐圧低下などパワーデバイスにおける特性劣化の要因となるため,限りなく低減することが望ましいが,ダイヤモンドの転位低減技術は確立していない.ダイヤモンド基板の転位密度は1E6 cm-2と高く,また基板中の転位は全て膜中に引き継がれるため,改善が必要である.本研究は,ダイヤモンドのCVD成長時に金属原子を意図的にドーピングすることで,基板から膜中に伝搬する転位を終端する金属援用終端法を提案する.転位密度の低減により,デバイス特性を飛躍的に改善する.さらに,金属原子と転位間の相互作用を結晶学的な観点から考察し,低転位化の学理を構築する.
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研究成果の概要 |
金属原子導入という全く新しいコンセプトの低欠陥技術を提案し、ダイヤモンド半導体デバイスの高品質化を達成した。本技術は高融点金属ワイヤを用いた熱フィラメントCVD法を基調としており、成長条件の制御により膜中に10-100ppm程度の金属不純物を意図的に混入させることが鍵である。カソードルミネッセンス法、エッチピット法より、基板から膜中に伸展する転位が1/10~1/100に減少することを確認し、またショットキーダイオードにおいて性能向上および素子間のばらつき低減を実証した。 本技術により、素子サイズのスケールアップが可能となり、mmオーダーの活性域が必要なパワーデバイス、センサへの応用が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ダイヤモンドは優れた物性と耐環境性を兼ね備えたロバストな電子材料である。エレクトロニクス応用には、大口径・低コストウェハの実現と共に、素子間(およびウェハ間)のバラツキ制御が必要となる。デバイス特性に致命的な影響を及ぼすキラー欠陥の同定および制御は、高歩留まりなデバイスを実現するために必要不可欠である。本研究では、CVD成長中に金属不純物を混入することにより欠陥の伝搬をコントロールする手法を提案し、ショットキーダイオードにおける性能向上およびバラツキ低減を実現した。これにより、大きな素子面積が必要なパワーデバイスや極限環境センサ(放射線検出器、原子力電池など)への応用が期待できる。
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