研究課題/領域番号 |
19K15297
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
村田 正行 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (80717695)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 熱電変換 / 熱磁気効果 / 磁気抵抗効果 / 磁場効果 / ナノワイヤー / ゼーベック係数 / 電流磁気効果 / 散乱機構 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに実験的にナノ構造材料を利用してゼーベック係数の向上に伴った性能の向上が報告されているが、その物理的な背景までは解明されていない事が多い。本研究では、電流磁気効果や熱磁気効果を測定することにより、ゼーベック係数の決定要因である散乱機構や有効質量等の詳細な物性値を実験的に同定し、ゼーベック係数が向上した原因を解明する手法を確立する。この手法は熱電材料開発における設計指針を立てる上で重要な評価技術となる事が期待される。
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研究成果の概要 |
本研究ではまず、磁気ゼーベック効果やネルンスト効果等の熱磁気効果、磁気抵抗効果やホール効果等の電流磁気効果、磁場中の熱伝導率の各物性値を測定する技術を確立した。ナノワイヤーにおいては磁気ゼーベック効果と磁気抵抗効果の測定を行い、キャリアの散乱機構の変化がゼーベック係数に与える影響は限定的であることがわかった。また、複数キャリアを持つ材料においては,ネルンスト係数が散乱機構だけでなくキャリアの電気伝導度比にも依存することから,単独では散乱機構を決定できないことを突き止めた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
熱電変換材料とは、「電気」と「温度差」を相互に直接変換できる材料であり、材料に電流を印加する事で温度差が生じ、逆に温度差を与えることで起電力が生じる。この材料は、小型温冷庫や高精度温調、環境発電や非常用電源として使われている。材料の高性能化によって冷却素子の消費電力の低下や、発電素子のエネルギー変換効率の向上が見込まれ、需要の大きい室温領域での高性能化により早急な市場の拡大が期待できる。本研究では材料の熱磁気効果や電流磁気効果の測定により、材料の熱電性能と詳細な物性の関係を明らかにし、材料開発指針へ寄与することができる。
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