研究課題/領域番号 |
19K15299
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26030:複合材料および界面関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
佐藤 大祐 新潟大学, 研究推進機構, 助教 (70778703)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | セルロースナノファイバー / 繊維分散流体 / サスペンション / 偏光イメージング / 繊維配向 / 流動複屈折 / 平面流れ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,ナノ繊維分散流体の流れを明らかにすることである。ナノ繊維分散流体とは,木材から抽出したナノサイズの直径の繊維(ナノ繊維)を含有する流体のことである。本研究では,流れの速度分布や,光学的測定による流動中の繊維の向き(配向)を計測することで,ナノ繊維分散流体の特異な流動特性とそのメカニズムを明らかにすることを目指す。さらに,光学的測定において,偏光イメージング装置を開発することで,流動中のナノ繊維の配向場のリアルタイム計測を試みる。これらの成果は,工業現場でナノ繊維を強化材とする複合材料を効率的に製造するプロセスに応用可能であると期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究では,セルロースナノファイバー分散流体の成形流れにおける繊維配向を明らかにすることを目的とし,そのために必要なレオロジー特性の計測や2次元複屈折分布を計測するための偏光イメージング装置を開発した。試験流体は,shear-thinning性および弾性的性質の強い流体であることがわかった。また,縮小流れでは,繊維は流れ方向に強く配向し,下流域では,再びせん断流れ場における配向へと発達することが明らかになった。さらに,発達するまでに要する距離は,流量,縮小比およびアスペクト比に依存しないことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在セルロースナノファイバー(CNF)は,複合材料の強化材としての応用が考えられている。繊維複合材料の成形において,製品中の繊維配向は,成形加工中の材料の流動でほぼ決定され,それが複合材料の歪やソリ,強度ムラといった欠陥に大きく影響する。したがって,目的とする良い材料特性を発現させるには,CNFを含んだ流体の流動に関する基礎的な知見を得ることが極めて重要である。本研究ではCNF分散系において,繊維配向を定量的に評価しており,この成果は,CNFを用いた複合材料の品質向上に大きく寄与すると期待される。
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