研究課題/領域番号 |
19K15301
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26030:複合材料および界面関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
國本 雅宏 早稲田大学, 理工学術院, 講師(任期付) (60619237)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 電析プロセス / 量子化学計算 / 表面増強ラマン散乱分光法 / 太陽電池級Si / イオン液体 / Si電析プロセス / ラマン分光法 / ナノ構造体 |
研究開始時の研究の概要 |
太陽光発電デバイス需要拡大に伴い,太陽電池級Siの安定供給プロセスの必要性が高まっている.非水溶媒を用いる電析プロセスはその1つとして有力であるが,形成されるSiの更なる高純度化が課題である.本研究はイオン液体trimethyl-n-hexyl ammonium bis(trifluoromethylsulfonyl)imide(TMHATFSI)を電解液,SiCl4をSi前駆体にそれぞれ用いたSi電析における不純物混入機構を明らかにし,発電デバイス用Si微細構造体を形成することを目的とする.特に解析では,理論計算と独自の表界面分析用ラマン分光測定を用い,理論-実測の両面から検討する.
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研究成果の概要 |
本研究では、イオン液体からの電解析出法を用いて形成されるSi層の純度向上、ならびに析出表面の平滑化を目的に、当該電析反応機構の分子レベル解析とそれに基づくプロセス設計に取り組んだ。研究の結果、反応前駆体であるSiCl4が中間体としてSi多量体を形成する事、及び、その中間体形成がClの電気陰性度、及びSiの第三周期元素としての性質に起因する事が、理論計算と分光計測の結果から示唆された。また不純物の要因となるイオン液体はその分子構造を保ったまま析出層中に取り込まれる事が示唆された。これらの知見を基にプロセスを最適化した結果、従来研究の中でも最高純度、且つ高表面平滑性のSi層形成に至った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究が確立を企図した反応プロセスは、高純度のSi層を形成するための電解工程であり、形成されるSi層は将来的に太陽光発電デバイス用Si媒体のための原料素材としての利用が期待される。大面積一括形成性に優れる電析法を利用してこのような材料媒体が形成可能となることによって、今後世界規模で増々需要が高まると予想されるSi太陽電池の安定供給が実現され、再生可能エネルギーを根幹とする次世代電力系統の構築・運用に大きく貢献できる。また本研究では独自の計測システムに基づく表面増強ラマン散乱分光計測と理論計算解析を併用した反応解析を特徴としており、学術的価値の高い電子状態レベルからの反応機構解明も期待された。
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