研究課題/領域番号 |
19K15307
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
河口 智也 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (00768103)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | リチウムイオン電池 / 酸化物正極材料 / 微細組織構造 / 弾性歪 / 蓄電池 / 組織構造 / 弾性ひずみ / 構造解析 |
研究開始時の研究の概要 |
リチウムイオン電池などの蓄電池で用いられる酸化物電極材料では,複数の相から構成されるLi過剰系材料が他の単相材料に比べ優れた比容量を示すことが知られている.この材料ではナノドメイン微細組織構造を有し,充放電時の各ドメインの体積変化率の違いに起因する弾性歪が生じ,そのことが酸化物イオンによる電荷補償を誘起することで,高比容量を実現していると考えられる.本研究ではそのような機構を積極的に利用するため,機構そのものの詳細な理解を進めるとともに,組織制御に基づく高比容量電極材料の設計指針を得ることを目指す.
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研究成果の概要 |
高容量の蓄電池酸化物電極材料の開発を行うために,酸化物電極材料内部に自発的に形成される微細組織構造に着目し,それらの電気化学特性への影響の評価や,制御法の確立,微細組織構造により誘起される弾性歪の解析手法の開発を実施した.その結果,微細組織は酸化物材料焼成時の熱履歴に依存するだけでなく,多元素を混合することで制御できる配置のエントロピーにより柔軟に制御できる可能性が示唆された.また材料内部に誘起される歪の解析手法として,電気化学試験下におけるブラッグコヒーレント回折イメージングを実施し,その実現可能性を検証した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
蓄電池の電極材料開発では,重量やコスト,環境負荷の観点から限られた元素種で材料の開発が行われており,電極特性の向上は頭打ちになりつつある.しかし,本研究が提案する酸化物の組織制御という新たな自由度により材料開発の柔軟性が高まり,軽さと容量を両立した材料の開発や,環境負荷の低く安価な元素で構成された高容量の材料の開発など,これまでになかった新たな電極材料の開発が期待できるとい点で,高い学術的意義を有する研究である.これらの電極材料の高性能化は,電気自動車などの高性能化に直結するため,社会的にも非常に重要である.
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