研究課題/領域番号 |
19K15313
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
猪石 篤 九州大学, 先導物質化学研究所, 助教 (10713448)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ナシコン / 全固体電池 / 正極 / ポリアニオン / Li3Fe2(PO4)3 / 高電位 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで電池反応として可逆的に利用されていないポリアニオン系化合物における高電位正極反応に関する研究を行う。本研究の具体的な特色として、以下の点が挙げられる。 ①副反応のため電極反応が進行しにくい電解液を使用しない。全固体電池を用いる、②電極と電解質を一体にした全固体電池にすることで界面抵抗を低減し、電池としての動作を容易にする。また、電池作成時の副反応も無いため、電極反応を正しい状態で追跡できる、③ポリアニオン化合物で固体内酸素の酸化還元(酸素レドックス)が起こるか否かを確認する、④様々なポリアニオン系化合物の高電位正極反応を探索する。
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研究成果の概要 |
Li3Fe2(PO4)3(LFP)の電極電解質一体型電池の充放電を行ったところ、160℃において優れた繰り返し安定性を示した。非水電解液を用いてLFPのハーフセルの充放電を行い、充放電前後のメスバウアー分光測定を行ったところ、充電後にFe4+の生成が観測されたことから、主にFe4+のレドックスが寄与していると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リチウム電池の高エネルギー密度化のための方策の一つとして、高電位化が挙げられる。有機電解液を用いる従来型のリチウム電池では電解液の分解が併発するため高電位正極の適用が難しい。本研究では、正極、負極、固体電解質の3つの役割を単一の酸化物系材料が担う「電極電解質一体型電池」を利用して酸化物の全固体電池を作製し、高電位正極反応の開発を検討した。Li3Fe2(PO4)3を全固体電池として用い、その充放電サイクルが優れているとともに、正極反応としてFe4+が生成していることを明らかにした。
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