研究課題/領域番号 |
19K15314
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
兵頭 潤次 九州大学, 稲盛フロンティア研究センター, 特任助教 (70736149)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 光触媒 / 完全水分解反応 / バンドエンジニアリング / 酸素欠陥 / 格子欠陥 / 金属-担体相互作用 / 欠陥化学 / 界面 / 水素 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、同一組成でも合成時の酸素分圧の制御によりp型・n型どちらにもなることができる鉄添加SrTiO3を対象材料として、(1) 格子欠陥濃度(電子・正孔濃度)を制御した粉末光触媒の合成、(2)精密電気化学計測による光照射下におけるキャリア密度の定量、(3)接合金属種および接合種の接合順を制御する。これにより、反応溶液-光触媒界面におけるバンド構造と光触媒特性の関係を明らかにし、光触媒水分解反応に最適な界面バンド構造を解明する。
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研究成果の概要 |
Ptを担持したp型およびn型Fe置換SrTiO3を用い、「n型-金属-p型」接合を有する光触媒を合成し完全水分解反応活性を評価した。当初予想していた「n型-金属-p型」接合形成による光触媒活性の向上は観測されなかった。これは、触媒合成時の表面原子再配列が理想的な界面形成を阻害し、当初期待した金属助触媒を励起電子および正孔再結合サイトとし、効率的に反応サイトへ励起子を輸送できる界面バンド構造を形成できなかったことに原因があると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、半導体材料と金属の界面形成時の表面原子再配列や界面原子の相互拡散を精密に制御する触媒合成プロセス最適化の必要性を強く示すものである。表面および界面原子再配列には材料組成、酸素欠陥濃度、ガス雰囲気、温度が関与していることが本研究で示唆され、これらの自由度の組み合わせの中から、光触媒の機能を最大限引き出すプロセスを開発する必要がある。本研究にて見出された課題を克服することで、太陽光エネルギーを活用した高効率水素生成が可能となり、持続可能な開発の実現できるものと考えられる。
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