研究課題/領域番号 |
19K15315
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
|
研究機関 | 茨城工業高等専門学校 |
研究代表者 |
小野寺 礼尚 茨城工業高等専門学校, 国際創造工学科, 准教授 (80758540)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 磁性材料 / 組織制御 / 強磁場効果 / 原子拡散 / 強磁場 / 拡散係数 / 機能構造材料 / 拡散 / 磁性金属 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は金属中の原子拡散における強磁場効果を明らかにし、磁場による拡散の制御手法を開発するための基礎研究を目的とする。 強磁場印加で材料組織を制御できることは近年では一般的となったが、組織形成の素過程である原子拡散に対する強磁場効果の起源は未解明である。強磁場中の拡散現象を本質的に理解することで、産業利用可能な磁場強度での材料プロセス開発に必要な知見を得る。これを基に、クリーンエネルギーの一つである磁場を利用して、環境調和を目指した磁場中材料プロセスの新規開拓につなげる。
|
研究成果の概要 |
Ti中におけるFe原子の拡散が強磁場印加によって大きく抑制されることを初めて見出した.Ti中のFe原子の拡散係数は19T印加することによって53%減少した.また,13T印加ではこの抑制効果は著しく小さいことを確認した. 磁気勾配中において,TiへのFe原子の拡散の方向と磁気勾配の方向を平行・反平行として,原子拡散に対する磁気力の寄与を調査した.磁場中熱処理を行った結果,拡散は磁気勾配の向きに依存しないことを見出した.従って,磁場は原子拡散に対して方向成分を持つ力学的効果による抑制をもたらしているのではなく,絶対値のみを議論する熱力学的パラメータとして,寄与していることを見出した.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
原子拡散は材料の微細組織形成を支配する要因の一つである.微細組織の特徴によって材料自身の特性が大きく変化するため,微細組織の設計によって,材料特性の制御が容易に行える事になる.本研究の成果は,微細組織を設計するため,パラメーターとして磁場が有用であることを示すことができた. 従来,熱以外での制御が難しい拡散現象を磁場印加によってコントロールできることを示したことで,金属材料の多彩な組織形成を実現し,材料特性向上に大きく資すると期待できる.
|