研究課題/領域番号 |
19K15321
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
|
研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
中田 大貴 長岡技術科学大学, 産学融合トップランナー養成センター, 産学融合特任講師 (80800573)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | マグネシウム合金 / 圧延加工 / 時効析出 / 室温成形性 / 引張特性 / 電子線後方散乱回折 / 結晶塑性シミュレーション / 電子顕微鏡 / 室温プレス成形性 / 時効処理 / 再結晶 / 集合組織 / ユビキタス元素 / 圧延 / 室温成形 / 時効硬化 |
研究開始時の研究の概要 |
マグネシウム合金は構造用金属材料の中で最も軽量であるものの、自動車パネル材として使用できる強度と室温成形性を兼ね備えたマグネシウム合金板材は存在しない。本研究では、精緻な微細組織解析と結晶塑性シミュレーションを組み合わせたマルチスケール解析により、高い室温成形性と強度を具現化できるマグネシウム合金板材のナノ・ミクロ組織を明らかにするとともに、その特性発現機構を解明し、輸送機器の構造部材として使える新しいマグネシウム合金を開発する。
|
研究成果の概要 |
優れた強度-延性バランスと良好な室温張出し成形性を有する析出強化型Mg-Zn系合金開発に成功した。開発合金はエリクセン値にして7mmを超える良好な張出し成形性を示し、時効処理後には0.2%耐力が220MPa程度にまで向上する。また、時効処理後でも20%程度の破断伸びを維持することから、開発合金はこれまでに提案された室温プレス成形型のマグネシウム合金よりも高い引張特性を持つことがわかった。以上のような高性能合金開発のほか、電子線後方散乱回折法を用いた再結晶メカニズム解明も進め、双晶を起点とした静的再結晶がマグネシウム合金の集合組織制御に重要な役割を持つことも見出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一般的なマグネシウム合金は、強度や延性、室温成形性の同時改善が困難であることから、安価な輸送機器構造部材としての実用化は困難と考えられていたが、本研究の結果、時効析出を利用することで、マグネシウム合金でも優れた引張特性と成形性の同時付与が可能であることを見出した。また、双晶によってマグネシウム合金の集合組織を制御できることも実証した。これは、マグネシウム合金押出材や鍛造材の組織制御にも有効であり、マグネシウム展伸材の高性能化を目指した基盤技術になると考えられる。
|