研究課題/領域番号 |
19K15322
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
足立 望 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00758724)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | チタン / ジルコニウム / 高圧相 / 相変態 / 純Ti / 巨大ひずみ加工 / 圧力誘起相変態 |
研究開始時の研究の概要 |
高圧相は,構造から優れた特性が予想されるが,常圧下で存在し得ないために実用化に至っていない.申請者は,高圧下せん断加工を加えることで,高圧相を常温常圧下において安定化させることに成功した.本研究は,高圧相を組織制御に利用した新材料創製を最終目的とし,本研究課題では,元素添加による相変態圧力の変化、並びに、添加元素による相の機械的安定性の変化を利用した、高圧相の制御手法の確立を目指す.具体的には,安定度評価や加工により導入される格子欠陥の定量評価と相変態挙動の評価を通して,添加元素が高圧相安定化に及ぼす影響を明らかにし,高圧相による組織制御を実現するための指導原理を構築する.
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研究成果の概要 |
鉄などに代表される金属材料は,熱処理などで生じる相変態を利用した組織制御を通じて特性が制御されている。チタンや鉄など,一般的に広く用いられている金属元素の多くは,地殻奥深くなどのような圧力が非常に高い特殊環境において,大気圧とは異なる特殊な結晶構造(高圧相)に相変態する。従って、高圧相を活用した新たな組織制御を通じて新規な材料が創製できる可能性がある。本研究では,高圧環境でのみ存在する高圧相を常温・大気圧における活用を実現するために、高圧相をより勘弁に得るための製造プロセスや合金設計指針を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,これまでに実用材料として活用されていなかった高圧相を構造材料として活用するために,高圧相を大気圧化で安定的に存在させるための加工条件を詳細に明らかにするとともに、合金元素の添加により高圧相の安定度を制御できることを示した。これは適切な製造プロセスや合金設計を検討することによって,高圧相を活用した、新たな機能・特性を有する金属材料が新規に開発できる可能性を示している。実用化に結びつけるためには、より詳細な研究が必要であるが,将来の材料技術の発展に有益な成果が得られ、社会的な意義は大きい。
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