研究課題/領域番号 |
19K15329
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 地方独立行政法人京都市産業技術研究所 |
研究代表者 |
紺野 祥岐 地方独立行政法人京都市産業技術研究所, 京都市産業技術研究所, 次席研究員 (60774643)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | めっき / アノード酸化 / 陽極酸化 / 鉄合金 / 酸素還元反応 / 酸素発生反応 / 電極 / 多孔質 / 酸素電極 / スピネルフェライト / 電極材料 / 鉄族複酸化物 |
研究開始時の研究の概要 |
エネルギー変換技術のキーマテリアルである多孔質電極の新奇な作製法として,めっき法とアノード酸化法の多段処理による多孔質酸化物電極の作製法を提案する。本手法では,蜂の巣状の単一的な多孔質構造を自己組織的に生成できるため,一般的な作製過程における粒子の凝集や多孔質構造の複雑化を抑制することにより,電極の比表面積を効率的に向上させることが期待できる。本研究課題では,特に酸素還元・酸素発生反応用電極への応用を目指して,めっき法によるアノード酸化基材表面の組成制御を介した触媒活性な多孔質アノード酸化膜の形成法の確立,および多孔質構造を変化させた際の電極の有効表面積の変化と活性への影響を明らかにする。
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研究成果の概要 |
多孔質構造の複雑化や触媒粒子の凝集を抑止し,電極表面の利用効率の高いナノ多孔質電極触媒層を形成する手法として,合金めっき膜のアノード酸化を提案した。本研究では,鉄合金めっき膜の合金元素としてMn,Niなどを加え,これをアノード酸化及びポスト熱処理することで,酸素還元・酸素発生反応(ORR・OER)に対して高活性な鉄系複酸化物からなる多孔質膜を作製できることを明らかにした。Fe-Ni合金めっき膜上では,通常の溶製Fe-Ni合金上では見られない特異な構造の多孔質膜が生成することを発見した。また多孔質アノード酸化膜のポアの長さとポア径がORR・OER時の電極表面の利用効率に及ぼす影響を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,組成を制御した鉄合金めっき膜のアノード酸化によって,酸素還元反応・酸素発生反応(ORR・OER)に触媒活性な複酸化物からなる多孔質膜を生成できること,及び作製した多孔質膜のポア構造が電極特性に及ぼす影響を明らかにした。まためっき膜のアノード酸化特有の新奇な材料を創製できる可能性を発見した。本研究は既存の塗布法にはない長所を有し,安価かつ量産性にも優れためっきとアノード酸化法を用いた新規プロセスによって,良好なORR・OER電極を作製し得ることを示したことから,燃料電池や水電解技術における機能性電極の高機能化と低コスト化に資することで,カーボンニュートラル社会の実現などに貢献する。
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