研究課題/領域番号 |
19K15330
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
|
研究機関 | 地方独立行政法人京都市産業技術研究所 |
研究代表者 |
山本 貴代 地方独立行政法人京都市産業技術研究所, 京都市産業技術研究所, 主席研究員 (60745206)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 熱膨張制御 / 無電解めっき / インバー合金 / Fe-Ni |
研究開始時の研究の概要 |
鉄-ニッケル(Fe-Ni)合金は,合金組成の調整により,その線膨張係数が1~13 ppm/Kの範囲で制御可能である。 本研究課題では,これら“熱膨張制御合金”の中でも,低熱膨張特性を示すインバーFe-Ni合金の成膜について,無電解めっき法を用いた新たなプロセッシングに着目し,その実用上の課題解決に向けて,成膜過程および膜物性について,電気化学的ならびに金属組織学的な観点から基礎研究に取り組む。 この新規成膜プロセス技術の確立により,半導体やセラミックスなどの低熱膨張材料基板上に,熱膨張係数を精密マッチングさせたメタライズ膜の形成が可能となる。
|
研究成果の概要 |
Fe含有率55 mass%~70 mass%のFe-Ni合金(インバー合金)の線膨張係数(以下,CTE)は,FeまたはNiのCTEより小さい。そのため,Siやその他の集積回路パッケージング用基板材料のCTEと一致させることにより,熱応力の低減が期待できる。無電解めっき法は,回路パッケージング分野で多くの利点があるため,本研究では,特に,300°Cまでの温度変化の際の,膜の熱膨張,応力挙動,および微細構造を評価した。クエン酸-ピロリン酸浴にグリシンを添加することにより,インバー組成のFe-Ni-B合金膜のめっき速度が改善された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
無電解めっき法で作製された低熱膨張(インバー)特性を示すFe-Ni合金は,これまで作製が困難であり,学術的理解はほとんど未達であったが,本研究により,薄膜の内部歪発生および加熱時の熱応力挙動が金属組織と関連付けられた。本手法を用いれば,半導体やセラミックスなどの低熱膨張材料基板上に,熱膨張係数を精密マッチングさせたメタライズ膜の形成が可能となる。そのため,次世代フォト・エレクトロニクスデバイスの使用時に強く要求される耐熱疲労特性の向上に寄与し得ると期待される。
|