研究課題/領域番号 |
19K15336
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27010:移動現象および単位操作関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
萩尾 健史 名古屋大学, 未来社会創造機構, 助教 (40808648)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 分離 / 分離膜 / ナノポーラス材料 / 酸化タングステン / 耐酸性 / 結晶成長制御 / 膜形成技術 / タングステン酸 / 緻密膜 / 結晶配向制御 / 液分子透過特性 / 水/酢酸分離性能 / 影響因子 / 酢酸添加 / ナノ細孔 / 形態制御 / 膜形成 |
研究開始時の研究の概要 |
沸点の差を利用して混合ガスや混合溶媒の分離・精製を行う蒸留法は、産業活動による消費エネルギーの半分程度を消費する。近年、ナノサイズの細孔(ナノ細孔)を有するゼオライト等の材料を膜状に形成して分子をサイズによって分離する分離膜が蒸留法に代わる省エネルギー技術として期待されるが、耐酸性が不十分等の課題がある。そこで、耐酸性が高く、ナノ細孔を有する酸化タングステン(Nano Pore WO3)に着目した。本研究では、Nano Pore WO3の膜形成に適した合成条件を明らかにすることで分子の分離が可能なNano Pore WO3分離膜の開発を行う。更に、その膜形成のメカニズムを解明することを試みる。
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研究成果の概要 |
六方晶酸化タングステン(Nano Pore WO3)は分子サイズの細孔を有し、耐酸性も高いため、気体/気体や液体/液体、特に酸性溶液からの脱水に有望な膜材料である。しかし、Nano Pore WO3の分離膜は未だ報告例がない。本研究では、Nano Pore WO3膜の合成方法を検討し、主に酢酸脱水膜としての可能性を調査した結果、分子をサイズで分ける分離膜として機能することを明らかにした。また、水/酢酸混合溶液から水を選択的に抜くことができ、pH<0の同溶液内で500時間以上浸漬しても分離性能を発現すると分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
溶媒の分離・精製には蒸留法が適用されるが、沸点差を利用する蒸留法は、産業活動で消費されるエネルギーの50%近くを消費する。近年、ナノ細孔を利用して分子をサイズによって分離する分離膜が開発され、蒸留法に代わる省エネルギー技術として期待されるが、膜材料の耐酸性等の性質が不十分といった課題が残されており、現状の産業利用は限定的であった。今回の分子をサイズで分けることが可能で、耐酸性も高い新たな膜材料の開拓は更なる産業利用や新規用途の開拓のために重要である。
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