研究課題/領域番号 |
19K15343
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27010:移動現象および単位操作関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
弘中 秀至 九州大学, 工学研究院, 助教 (90804659)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 多孔質膜 / 湿式プロセス / 塗布 / エネルギー関連機器 / 透過率 / 細孔径分布 / 物性評価 / ウェットプロセス / 機能性多孔質膜 / 固体高分子形燃料電池 / 触媒層 / カーボンブラック / 表面粗さ / 構造評価 / 多孔質体構造 / 移動現象 / 多孔質体 / 乾燥プロセス / 分散 |
研究開始時の研究の概要 |
電子機器のリチウムイオン電池や汚水処理の水処理膜など, 次世代のエネルギー・環境機器部材の高機能化を目指した研究である. これら機器の部材には, 1/1000 mm 以下の細かい隙間を有する網目構造 (以下, 多孔質構造) をもつものがあり, 機器の性能はこの多孔質構造に大きく左右される. 現在用いられている部材の多くは現場の経験と勘に頼って, 成り行き任せで作製されているのが現状である. したがって, そのような多孔質構造を制御できれば, さらに高機能な部材を提案可能である. 本研究は, 部材の形成過程における多孔質構造の制御を目的に実施するものである.
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研究成果の概要 |
本研究では,湿式プロセスで作製される機能性多孔質膜における不均質な構造を実験的に再現するために,成膜条件を変更することで多孔質構造を制御する実験を実施した.変更すべき条件は,分散質の比表面積,スラリー中の粒径分布およびブレードと基板の間のギャップとした.得られた多孔質膜に対して膜厚,表面粗さおよび透過率を評価した.膜厚はスラリー中の粒径分布に影響されなかった.表面粗さは分散質の種類よりもスラリー中の分散質の凝集状態に影響されることがわかった.透過率は,比表面積の大きな分散質で小さくなった.これは,比表面積の大きな分散質は緻密に堆積するためであると考えられる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られた知見は,今後の環境・エネルギーに関連した機器の部材を高性能化するために重要な示唆を与えるものである.既存の材料で作製される多孔質膜の性能を最大限活用するための成膜プロセスおよび材料の選定について,重要な知見を示した.すなわち,湿式プロセスで作製される多孔質膜の透過率や表面粗さなどの物性と成膜条件の関係に関する実例を示すとともに,ウェット膜から乾燥後の多孔質構造が形成される過程の示唆を与えた.本研究は,燃料電池の触媒層等,既に使用されている多孔質膜の性能を向上させるために,新たに材料を開発する際の方針および既存の材料を用いた場合の性能向上に関する指針になりうると考える.
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