研究課題/領域番号 |
19K15350
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27020:反応工学およびプロセスシステム工学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村中 陽介 京都大学, 工学研究科, 助教 (40756243)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | スラグ流 / マイクロリアクター / 反応分離 / バイオプラスチック |
研究開始時の研究の概要 |
化学反応では、目的生成物の最大収率は反応の平衡により制限される。本研究ではマイクロリアクターを用いた3種以上の流体から成るスラグ流(複合スラグ流)を利用して、反応/抽出の複合操作を一括にかつ簡便に取り扱い、平衡による制限を大幅に軽減するための新規反応場の構築を目的とする。実現に向け、高温・高圧下での安定した複合スラグ流の操作法の確立、および複合スラグ流を利用したグルコースからのバイオプラスチック原料の高収率製造の2つを目標とし研究を推進する。
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研究成果の概要 |
マイクロリアクターを使用して実現可能な特殊な流動状態であるスラグ流の反応/抽出同時操作への応用を試みた。2相スラグ流により、グルコースをバイオプラスチックの原料として期待されるHMFへと転換し、85%の高収率を達成した。さらに、2相ではなく3相以上のスラグを規則的に流す“複合スラグ流”を実現した。これをフルクトースからHMF、さらにHMFからグリコール酸への一貫多段反応/抽出へと適用し、2相系では達成しなかったフルクトース反応率(反応速度)を達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
全ての反応は平衡に制限され、これを突破して反応を進めることは不可能である。スラグ流を利用した反応/抽出の同時操作により生成物を常に反応場から取り出すことで、反応平衡を常時目的生成物側へと偏らせることで、反応速度の向上を達成した。これを3相での反応、抽出、さらに異なる相への抽出/反応へと拡張することで、その中間の抽出操作において発生する平衡による制限も軽減することに成功した。本成果は未だ適用系が限定的であるなどの課題が残るものの、今後の化学品製造効率の飛躍に向けた大きな可能性を示すものである。
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