研究課題/領域番号 |
19K15356
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27030:触媒プロセスおよび資源化学プロセス関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
武安 光太郎 筑波大学, 数理物質系, 助教 (90739327)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 窒素ドープカーボン触媒 / 燃料電池 / 酸素還元反応 / 燃料電池反応 / カーボン触媒 / ピリジン型窒素 / 燃料電池触媒 / 窒素ドープカーボン / 分子状モデル触媒 / 反応機構 / 4電子還元反応 / ボトムアップ的合成 |
研究開始時の研究の概要 |
窒素ドープカーボン材料は、燃料電池カソード極触媒の次世代材料として期待されていますが、高活性で均一、高密度な活性点を持つ構造を合成する方法は確立されていません。本研究では、グラファイトや有機分子を活用して触媒のモデル構造を作製し、各種分光法を駆使して、高活性な触媒に必須である4電子還元反応を選択的に誘起する構造およびそのメカニズムを明らかにします。この知見に基づき、4電子還元反応が進行する活性点を均一かつ高密度に有する触媒を、ボトムアップ的に合成します。
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研究成果の概要 |
均一な構造を持つモデル触媒を用いることで、窒素ドープカーボン触媒における酸素還元反応の初期過程および活性低下のメカニズムを明らかにすることに成功した。窒素ドープカーボン触媒の活性点であるピリジン型窒素は、酸性溶液中ではプロトンが吸着したピリジニウムと呼ばれる状態で存在しているが、電圧をかけて反応を進行させると、熱反応である酸素分子の吸着と電気化学反応であるピリジニウムの還元反応がカップルして同時に起こることを見出した。酸性環境下でもこの協調反応を高効率に起こすためには、酸化還元電位を高電位側にシフトさせることが重要で、そのためには活性点近傍の疎水性を高めることが有効であると分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
燃料電池カソード極の白金代替触媒として期待される窒素ドープカーボン触媒において、熱的な酸素吸着と電気化学的な還元反応が同時に進行するメカニズムが明らかになりました。このメカニズムに基づき、動作時の酸性環境下で窒素ドープカーボンの活性を向上させるためには、活性点であるピリジン型窒素近傍の親水・疎水環境を制御することが重要であることも分かりました。この設計指針のもと、疎水性を向上させた実用窒素ドープカーボン触媒の開発にも着手しています。実際に燃料電池の正極触媒として運用可能な触媒性能を得られる日も遠くないと考えています。
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