研究課題/領域番号 |
19K15357
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27030:触媒プロセスおよび資源化学プロセス関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金 雄杰 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (00761412)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 再生可能資源 / 不均一系触媒 / カルボン酸 / アルカン / 脱水素 / アルケン / フェノール / 加水素分解 / 脱炭酸 / 機能集積型触媒 / 脱炭酸脱水素反応 / 金属ナノ粒子触媒 / 機能集積型高分子保護剤 / 分子状酸素 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では油脂などのバイオマスから入手容易なカルボン酸の脱炭酸脱水素反応によるアルケン合成反応の開発を目的とする。従来の石油依存型アルケン合成法はエチレンのオリゴマー化により偶数個の炭素数を有するアルケンを与えるのに対し、本ターゲット反応は奇数個の炭素数を有するアルケン合成に特に有用であり、既存手法と相補的なアルケン合成法である。 本研究ではターゲット反応の実現に向けて酸素を酸化剤とする酸化的脱炭酸脱水素ルートを新たに設計し、「金属ナノ粒子と機能性高分子保護剤との協奏触媒作用」という独自の視点から、機能集積型高分子固定化金属ナノ粒子触媒の開発を行う。
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研究成果の概要 |
種々の担持遷移金属触媒(Au、Pd、Cuなど)を用いて、N-oxylラジカル存在下、空気を酸化剤としたカルボン酸の脱炭酸脱水素反応を行うと、微量ながらアルケンが生成することを確認した。一方で、カルボン酸の脱炭酸脱水素反応を検討する過程で、空気を酸化剤とするアルカンの脱水素反応が温和な条件下で効率よく進行することを見出した。また、再生可能資源であるリグニンの基本骨格に多く含まれるフェノール類の芳香族炭化水素への省エネ型加水素分解反応の開発にも成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
不均一系触媒と均一系触媒はこれまでに異なる学問分野として発展してきたが、「触媒」というキーワードを共有しており、共通点の方が多いはずである。本研究では不均一系と均一系あるいはそのコンセプトの融合により、不均一系あるいは均一系のみでは困難であった反応が温和な条件下で効率的に進行することを見出した。このように、本研究は均一系・不均一系触媒の融合触媒が秘める無限の可能性を示すものであり、ここにその学術的意義があると考えている。また、カーボンニュートラル社会の実現に向けて再生可能資源の有効利用が鍵になるため、本研究で開発したフェノール類の省エネ型加水素分解触媒は重要な社会的意義も有すると考えている。
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