研究課題/領域番号 |
19K15360
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27030:触媒プロセスおよび資源化学プロセス関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
片山 祐 山口大学, 大学院創成科学研究科, 助教 (70819284)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | オペランド分光法 / 分子表面修飾 / アルコール酸化反応 / 表面修飾 / 有機ー硫黄共重合体 / 電極触媒 / 有機硫黄共重合体 / オペランド赤外分光測定 / メタノール酸化反応 / 触媒化学 / 電気化学 / 界面化学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、複数機能をもつオリゴマー分子の触媒表面修飾による革新的な触媒設計法を確立し、既存の材料バルク特性制御からの進展を図る。既報の(1)立体障害、(2)触媒近傍活性種濃度に加え、申請者らが触媒反応への寄与を見出した(3)触媒近傍の水分子構造、(4)活性種-近傍分子間相互作用を取り入れた修飾分子設計を行う。修飾分子への機能付与の簡便さ、理想的な分子修飾サイト・反応活性サイト配列を実現するため、新たにスルフィド結合によりモノマーが重合したオリゴマー分子に着目する。これより、修飾分子設計をモジュール化し、各機能を持つモノマーを目的反応に合わせて組みかえるテーラーメードな触媒表面設計を実現する。
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研究成果の概要 |
本研究では、適応範囲が広くかつ強力な触媒設計法として、複数の機能を持たせた修飾分子による、反応中間体をとりまく「局所反応場」設計法を検討した。高価なチオール系分子にかわる表面修飾分子を合成し、その電気化学活性と反応メカニズムを評価した。各種表面修飾分子を検討した結果、安価な有機分子と硫黄からなる機能性オリゴマー分子が表面修飾分子として利用可能であることを明らかにした。さらに反応メカニズム解析の結果、表面修飾分子の疎水性と立体障害が電気化学反応プロセスに影響を与えることが分かった。本成果はその他のエネルギー、物質変換反応に応用でき、「テーラーメイド触媒」開発の一助となる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の環境問題の深刻化や化石資源の枯渇に伴い、経済発展と自然環境保全が両立した「持続可能な社会」の実現が求められる。その鍵となるのが、(電極)触媒反応の特性向上である。本研究では、実際に反応が進行する触媒の最表面の特性をピンポイントで制御し、最適化する手法の確立を試みた。新たに開発した安価な分子を、触媒表面に20%程度修飾するだけで有意な活性向上が見られた。本手法であれば、既存の様々な材料に適用でき、その特性を向上できる。本成果と既存技術との相乗効果により、エネルギー効率に優れた触媒の開発が期待できる。
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