研究課題/領域番号 |
19K15362
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27030:触媒プロセスおよび資源化学プロセス関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
三浦 大樹 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 助教 (20633267)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 担持金属触媒 / 金属ナノ粒子 / 有機合成 / 協奏的触媒作用 / 有機合成反応 / 有機ホウ素化合物 / PdAu合金ナノ粒子 / シリル化 / 塩化アリール / クロスカップリング / 金属ナノ粒子触媒 / 有機分子変換 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、合金ナノ粒子の形成や、金属ナノ粒子表面への遷移金属カチオン等の固定化に基づいて異種元素隣接活性点を創出する手法を開発する。また、これに起因して発現する異種元素の協奏的触媒機能を利用することで、機能性材料合成のための選択的結合生成反応などに対して高い有効性を示す分子変換触媒系を構築することを最終的な目的とする。本研究では異種元素協奏触媒作用の概念をナノ粒子触媒に導入し、固体触媒が潜在的に有する環境調和性能に加えて、単一金属の系には全くない高度な分子変換能を付与することを主目的とする。
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研究成果の概要 |
隣接異種元素の協奏的触媒作用が単一の金属触媒系にはできない効率的な有機分子変換反応を実現させることから近年特に注目されている。本研究では担持合金触媒あるいは金属ナノ粒子周辺に金属カチオンを固定した触媒を種々調製し、これらを種々の有機合成反応へと適用した結果、酸化ジルコニウムにPdAu合金ナノ粒子を担持した触媒が塩化アリールのヒドロシランによるシリル化に高い触媒活性を示し、アリールシランを高選択的に与えることを明らかにした。さらに、酸化チタンにAuナノ粒子を担持した触媒が種々のsp3 C-O結合のボリル化に高い活性を示し、合成中間体として有用な有機ホウ素化合物を高収率で与えることも明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、環境負荷の少ないグリーンな有機合成を実現するために化学的安定性が高く、再利用が可能、有害な金属の生成物への混入が少ないなどの利点を有する固体触媒の高機能化指針に資するものである。なかでも本研究で開発に成功した固体触媒による炭素-ケイ素、炭素-ホウ素結合形成反応は、有機合成のなかでも特に重要な合成中間体である有機ケイ素化合物、有機ホウ素化合物の実用的な合成を可能とする手法となりうるものであり、これにより医薬・農薬などの機能性有機分子の研究開発の加速が期待される。
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