研究課題/領域番号 |
19K15365
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石川 聖人 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (70750602)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 反復配列遺伝子 / 相同組換え / バクテリア / Acinetobacter / メチル化修飾 / ナノポアシークエンサー |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らが独自に発見した接着蛋白質AtaAの遺伝子には、相同組換えの標的となる反復配列が複数存在する。ataAは不安定な遺伝子構造であるにも関わらず、宿主であるAcinetobacter属細菌Tol 5では相同組換えが起こることなく維持されている。本研究では、Tol 5がataA遺伝子の相同組換えをどのように抑制しているかを明らかにする。本研究を通じて、「生物は反復配列遺伝子をどのように維持しているか」という謎に迫り、応用面としては効果的な遺伝子改変やゲノム編集、望まない遺伝子改変抑制の技術開発に重要な知見を提供する。
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研究成果の概要 |
本研究では、グラム陰性細菌Acinetobacter sp. Tol 5が反復配列を有するataA遺伝子をどのように相同組換えから保護しているかを明らかにすることを目指した。ataA遺伝子の相同組換え頻度を測定する方法を構築し比較したところ、Tol 5株では大腸菌よりもataA遺伝子の相同組換え頻度が低く抑えられていることが確かとなった。加えて、相同組換え頻度の向上した変異株の分離に成功し、変異した遺伝子を特定できた。また、ataA遺伝子の反復配列内に存在するメチル化修飾を検出することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
相同組換えは、よく似た塩基配列間(相同配列間)で生じるDNAの組換えであり、損傷を受けたDNAの修復機構として生物に普遍的に保存されている。しかし、反復配列に対しても作用することがあり、時に重要な遺伝情報を書き換え、遺伝子本来の機能を失わせてしまう。それにも関わらず、多くの生物のゲノムDNAには相同配列が連続した反復配列が存在する。反復配列の相同組換えを抑制する機構が明らかとなれば、望まない組換えを抑制することや、効率的な遺伝子の書き換えをする技術開発に繋がると期待できる。
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