研究課題/領域番号 |
19K15367
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
櫻木 美菜 (水谷美菜) 崇城大学, 工学部, 准教授 (90646829)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 深共融溶媒 / マイクロエマルション / ポリフェノール / 角層 / 放射光X線散乱 / 経皮デリバリー / レスベラトロール / 中性子散乱 / X線散乱 |
研究開始時の研究の概要 |
1年目は、異なる構造を有するMEにRSVを内包させ、小角X線散乱によりRSVの存在位置を特定する。RSVはDESへの溶解性が水に対して極めて高いため、ME内相に導入したDES/水混合溶媒の水の割合が高いほど、内相に溶けにくくなり、界面活性剤の方へ移動すると考えている。このMEの皮膚透過試験を行い、MEの構造とRSVの存在位置が経皮吸収率に与える影響を明らかにする。2年目は、皮膚透過の律速段階である角層に着目し、MEを投与した際の角層成分の構造変化と、角層中におけるMEの構造変化を調べ、1年目に行った皮膚透過試験の結果と合わせて、最も皮膚浸透しやすいMEの構造特性を明らかにする。
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研究成果の概要 |
経皮吸収キャリアとして、マイクロエマルション(ME)が用いられるが、球状以外のMEについては、その超分子構造と経皮吸収率の関係性が不明である。本研究では、深共融溶媒(DES)を用いて構造制御を行ったMEを用い、その形状と皮膚透過率の関係を評価した。その結果、球状MEの方が棒状よりも皮膚浸透率は高かったが、薬剤の透過量は、薬剤取り込み量の多い棒状MEの方が高いことが示された。次に、異なる水分量の角層にMEを適用したときの作用機構を調べた。水分量の多い角層では、角層中の水をMEが取り込むことで、ラメラ構造の周期が減少し、乾燥条件下ではME内の水が角層に放出されることで、ラメラ構造の周期が増加した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、これまで形が一般的でなく議論されていなかった球状以外のMEを、イオン液体の一種の深共融溶媒を用いて調製し、MEの構造と薬剤内包量、皮膚浸透性との関連性を明らかにした。また、これまでME の構成成分やMEに内包された有効成分が皮膚のどの層まで浸透しているか、顕微鏡を用いた皮膚断面の観察によるメカニズムの検討は行われているが、分子レベルでの作用機構がわかっていなかった。本研究にて、皮膚バリアの角層を透過する過程で生じる、MEや皮膚バリアのラメラ層の経時的な構造変化をリアルタイムで観察した。本研究成果は、今後の経皮デリバリーの分野の発展に大きく貢献できるものと期待している。
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