研究課題/領域番号 |
19K15371
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
森 裕太郎 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 研究員 (50758539)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 酵素変異体 / バイオプロダクション / タンパク質工学 / 合理的酵素設計 / 酵素の合理的設計 / 基質特異性 / ピルビン酸脱炭酸酵素 / Protein Engineering / Rational Design / Bioproduction / Decarboxylase |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、持続可能な環境調和型社会の実現に向けて、目的化合物の生産量を向上させることを目的として、高活性な酵素変異体を合理的に開発するための設計戦略の確立を目指す。具体的には、ピルビン酸脱炭酸酵素 (PDC) を鋳型酵素として基質スクリーニングを行い、その結果と酵素-基質結合モデルとの比較から基質特異性に関わる要素の抽出と、それに基づいた高活性な変異体設計のためのルール構築を行う。この構築したルールに従い、選択した基質に対してPDC変異体を複数構築し変異体の設計手法の実証を行う。最終的に、実際の微生物菌体触媒に設計したPDC変異体を導入して、グルコースからの目的化合物の物質生産を検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では、酵素の基質特異性への本質的な理解を深めることで、基質特異性を改変・拡張する。加えて酵素反応を高活性に触媒するための合理的な酵素変異体設計ルールの構築を目的として研究を遂行した。基質スクリーニングの結果と、構築した酵素-基質結合モデルと比較することで、情報の蓄積を行った。その結果、酵素が基質を認識出来るかどうかの重要なファクターとして、酵素-基質間の親和力が重要なファクターであることが示唆された。実際に、in silicoでの計算によって活性の向上に寄与しやすいHOT SPOTが予測可能であることが推測された。最終的に酵素変異体を用いて、野生型と比較して2.8倍の活性向上を達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで生体内の反応を触媒する酵素に着目し、アミノ酸変異を導入することで、既存の酵素反応の活性向上や新規の非天然化合物の生成を達成した研究は多数報告されている。しかしながら、これらの設計は使用する酵素次第のケースバイケースであり、数百数千の変異体を作製することで高性能な変異体の取得に成功したとしても、他の鋳型酵素を使用する場合にはまた一から変異体を構築しなければならなかった。そこで本研究がもたらす合理的な酵素変異体設計ルールにより、目的の性能値を持つ酵素変異体の迅速な獲得や、非天然有用な化合物おw生産する酵素の短期間での開発が可能となれば、持続可能社会の実現に向けた大きな一助となると考える。
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