研究課題/領域番号 |
19K15374
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28010:ナノ構造化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
北尾 岳史 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (70830769)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ナノカーボン / 多孔性金属錯体 / グラフェンナノリボン / 単原子層材料 / ホスト-ゲスト / ナノカーボン材料 / ホストーゲスト / 多孔性配位高分子 |
研究開始時の研究の概要 |
グラフェンナノリボン(GNR)は、グラフェンの優れた特性である高いキャリア移動特性を残しながら、電子の閉じ込め効果によってバンドギャップが形成される。そのため、GNRは次世代の電子デバイスの根幹を担う半導体材料として、近年活発に研究がなされている。しかし、分子構造が精密に制御されたGNRを合成することは極めて難しく、新たな合成手法の開発が強く望まれている。本研究では、均一なナノ細孔を有する多孔性金属錯体を鋳型として用いることで、原子レベルで構造が精密に制御されたGNRを簡便に合成する手法の開発を行う。
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研究成果の概要 |
グラフェンナノリボン(GNR)は、高いキャリア輸送特性とバンドギャップを持つため、次世代の電子デバイスの根幹を担う半導体材料として、近年活発に研究がなされている。GNRは幅やサイズによって、物理化学的特性が大きく変化するため、目的とする物性を引き出すためには、GNRの分子構造を精密に制御することが必要である。一方、有機配位子と金属イオンとの自己集積によって構築される多孔性金属錯体(MOF)は、その構成要素を適切に選択することで、細孔構造を緻密にデザインすることが可能である。本研究では、MOFのナノ細孔を用いることで、原子レベルで構造が制御されたGNRを簡便に合成することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在の半導体デバイスの多くはシリコンを用いて作製されているが、微細化による性能向上が今後鈍化していくことが予想されており、シリコンに代わる新しい半導体材料の開発は喫緊の課題である。高いキャリア移動特性とバンドギャップを併せ持つGNRは次世代電子デバイスの根幹を担う材料として、近年活発に研究がなされているが、未だに基礎研究の域を脱しておらず、革新的な合成技術の開発が必要である。構造の精密性とスケールの両方を解決する、本手法によって、GNRの安定的なサンプル供給を可能になるため、GNRの産業利用に向けた新たな段階へ推し進めるのに多大な貢献が期待できる。
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