研究課題/領域番号 |
19K15380
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28020:ナノ構造物理関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
樋浦 諭志 北海道大学, 情報科学研究院, 准教授 (30799680)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 量子ドット / 電子スピン偏極 / スピンダイナミクス / スピン緩和 / スピン増幅 / 希薄窒化物半導体 / スピン光デバイス / 光スピントロニクス / 半導体量子ドット / スピン注入 / 光物性 / 半導体スピントロニクス / 結合量子ドット / 励起状態 / スピントロニクス |
研究開始時の研究の概要 |
電子情報処理の省エネルギー化に向けて、電子スピン情報を光情報に直接変換し伝送する「光電スピン情報システム」の実現が待たれている。そこで、スピン情報を長時間保持できるⅢ-Ⅴ族化合物半導体量子ドットが有力な光学活性層として期待されている。本研究では、量子ドットの積層方向のサイズ変調と積層ドット間の波動関数の結合を利用し、スピン偏極発光層とスピン充填層という個々の量子ドット層に異なる光スピン機能性を持たせることで、量子ドットへの電子スピン注入による室温高スピン偏極発光の実現を目指す。さらに、スピン偏極発光ダイオードの活性層にサイズ変調結合量子ドットを用い、スピン偏極発光材料としての有用性を検証する。
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研究成果の概要 |
室温で高スピン偏極発光を実現できる量子ドット活性層を開発した。まず、温度上昇に伴ってスピン偏極が低下する要因を明らかにし、その対策として量子ドットを埋め込むキャップ層へのpドーピングにより、室温でのスピン偏極率が約2倍に向上した。スピンの捕獲と注入に優れた量子井戸と量子ドットのハイブリッドナノ構造を提案し、高輝度発光と高いスピン偏極率を室温で両立した。室温でスピン偏極を増幅できる希薄窒化物半導体と量子ドットをトンネル結合させ、室温で90%、110℃でも80%もの世界最高のスピン偏極率を達成した。pドープ量子ドットを活性層に用いたスピン偏極発光ダイオードを作製し、室温での高効率な動作を達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光デバイスに必須の半導体では、室温で電子のスピン偏極が極短時間に失われてしまう。本研究では、スピン緩和が不可避な半導体において室温で電子スピン偏極を発光中に高める技術を確立し、半導体光スピントロニクスの室温動作に向けた新たな扉を開いた。その結果、電子スピン偏極の生成源に高スピン偏極材料を用いる必要なく、電子のスピン情報を半導体中に効率的に生成することが可能となった。また、110℃の高温環境でも高い電子スピン偏極率が維持されたことで、半導体量子ドットを用いた光スピン変換の高い実用性と有望性を示した。これにより、電子のスピン情報を光で伝送するスピン発光デバイスの実用研究が加速することが期待できる。
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