研究課題/領域番号 |
19K15383
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28020:ナノ構造物理関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
蒲 江 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (00805765)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 遷移金属ダイカルコゲナイド / 円偏光発光 / 電解質 / 発光デバイス / バレー分極 / 円偏光 / 光共振器 / ヘテロ構造 / ヘテロ接合 / 二次元材料 / バレートロニクス / レーザー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目標は、次世代光量子通信を担う円偏光光源の創出である。具体的には、空間反転対称性が破れた原子層材料、遷移金属ダイカルコゲナイド(TMDC)、が有する特異な電子構造(バレー分極)を利用することで、室温において円偏光発光の電気的制御法を確立する。さらに、光共振器の導入を行うことで、最終的には世界初となる室温円偏光レーザー素子の作製を目指す。本研究を通して、円偏光光源創出に向けた物性・素子・機能の統一的な基盤技術を確立する。
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研究成果の概要 |
本研究では、空間反転対称性が破れた原子層材料、遷移金属ダイカルコゲナイド(TMDC)、が有する特異な電子構造を利用することで、室温において円偏光発光の電気的制御法を確立し、光共振器の導入を行うことで最終的には円偏光発光素子及びレーザー素子の作製を目的とした。これに対し、まず、TMDCの歪み効果による対称性変調を活かした室温円偏光の電気的制御法を確立した。次に、この手法を基に、TMDCのヘテロ接合の界面歪みを利用した円偏光発光素子の作製に成功した。最後、様々な光共振器を導入した発光素子を作製することで、共振器モードや励起子ポラリトンによる発光を観測し、高機能な発光素子を実現した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、円偏光光源・レーザー素子に向けた既存手法とは異なる、材料物性・素子構造・機能化によりアプローチしている。特に、遷移金属ダイカルコゲナイド(TMDC)の内因的な自由度であるバレーを発光機能として活かすアイデアは、本材料の物理的特徴を最大限活用した独創的な応用例といえる。これに加え、ヘテロ構造や共振器導入による室温円偏光発光素子及び高機能発光素子の実現は、世界的にみても新規性の高い研究成果であり、基礎的な原理確認に留まっていたTMDCの光物性を、円偏光光源という工学応用展開へ押し上げると期待する。
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