研究課題/領域番号 |
19K15384
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28020:ナノ構造物理関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西原 大志 京都大学, エネルギー理工学研究所, 特定助教 (80768672)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | カーボンナノチューブ / 熱放射 / 励起子 / 低次元半導体 / 光物性 / 熱物性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、熱エネルギーを極めて狭い波長範囲の光へと変換するという、半導体型カーボンナノチューブの熱放射特性の物理を解明し、機能的な熱光エネルギー変換技術の学理の開拓を目指す。具体的には、熱放射の強度や波長、帯域の変化が期待できるキャリアドーピング効果を、一本のナノチューブを用いて観測し、そのメカニズムを解明する。さらに、得られた知見を基に、これまで材料の熱安定性の問題により困難であった、可視から近赤外領域に及ぶ熱放射光の特性を自在に制御する技術へと繋げることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、ナノ構造物質で顕著な量子多体相関が、熱放射にどのような影響をもたらすかを解明することを目指して研究を進めた。代表的な1次元ナノ構造物質である単層カーボンナノチューブの顕微観察実験を通して、励起子とキャリアの強い多体相関の帰結として、熱放射強度がキャリアドープによって制御できることを見出した。本研究成果は、ナノ構造物質の熱放射特性の基礎的な理解に加え、熱放射による温度制御など、新しい熱光制御技術に繋がると期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、緊迫するエネルギー問題の解決に向けて、生産活動などで排出される熱の有効活用を目指した技術開発が盛んに行われている。その一つとして、熱から利便性の良い光エネルギーを得るために、熱放射を基盤とした技術研究が行われている。本研究では、高温のカーボンナノチューブから放出される熱放射光の強度が、電圧印加によって制御可能であることを見出した。カーボンナノチューブは2000℃にも耐える構造を有しており、本研究成果は、過酷環境下での高度な熱エネルギー利用技術に繋がると期待される。
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